裏付けの不備と捜査方針の曖昧さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/16 15:47 UTC 版)
「オペレーション・オー」の記事における「裏付けの不備と捜査方針の曖昧さ」の解説
2003年からオペレーション・オーの内実が吟味されるようになると、イギリスの警察当局の不手際が厳しい批判を浴びることとなった。批判の焦点のひとつは、Landslide Productions 社のデータベースに記録されたクレジットカード所有者が実際に児童ポルノサイトにアクセスしたかどうかの確証がないまま検挙したことである。これはカード所有者の購入歴の事前調査によりサイトへのアクセスを確認していたアメリカと著しく異なっていた。ジャーナリストのダンカン・キャンベル (Duncan Cambell) は2005年から2007年にかけて一連の記事でこの捜査上の瑕疵を指摘している。 児童ポルノサイトの課金を支払っていた者の多くが盗難カードの情報を入力していた一方、警察は実際の閲覧者ではなくカードの名義人を逮捕したため、これは重大な過失をもたらすこととなった。また数千にも及ぶ支払いがなされたのは実際のサイトではなくダミーのサイトであったことも混乱に拍車をかけた。警察が最終的に確認したところによれば、Landslide Productions 社のデータベースには 54,348 件の盗難カード情報が記録されていたことが判明している。イギリス警察はこの情報を被疑者側に提供せず、また未確認の時点でも「クレジットカードの不正使用はなかった」と主張したことが指摘されている。 さらに、この問題が追及される過程でデータベースの記録と Landslide Productions 社の家宅捜索時の記録映像が明らかになり、USPIS のマイケル・ミード (Michael Mead) が捜査に関する宣誓供述において偽証を行なっていることが判明した。こうした捜査の瑕疵が明らかとなったため、2006年にはオペレーション・オーによって逮捕された者の多くが不当逮捕であるとして捜査作戦の担当者に対する集団訴訟を提起している。 イギリスで警察と連携しつつ児童ポルノ取り締まりの先頭に立つ児童搾取・オンライン保護センター (Child Exploitation and Online Protection Centre, CEOP) とその指導部は、児童の保護、および法の執行の双方についていずれも曖昧な認識を示しているとして批判されることとなった。捜査作戦に際して公正な判断を行なうためにこれらについて明瞭な定義付けが求められるも、「近いうちに」明らかにするとするのみであり、2009年現在、数年が経過しているものの明文化された方針は発表されていない。
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