衰退と規格廃止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:03 UTC 版)
IBMは1981年にIBM PCを発表し、以降、1983年にはXT、1984年にはATと、さらに高性能なモデルを発表した。これらのコンピュータの成功は、S-100バス製品の市場に大きな影響を与えた。1984年5月、IEEE-696ワーキンググループのメンバーだったソル・リベスは、『マイクロシステムズ(英語版)』誌に「IBM PC互換機の市場に比べて、S-100の市場は既に成熟した産業であり、成長性がそれほどないことは間違いない」と書いた。 IBM PC 製品が市場のローエンドを占めるようになると、S-100マシンはより強力なOEMやマルチユーザシステムへとスケールアップしていった。例えば、シカゴ・マーカンタイル取引所の取引処理には複数台のS-100バス・コンピュータが使用され、米空軍では任務計画システムにS-100バス・マシンが導入された。しかし、趣味や個人使用、中小企業向けのS-100バス・マシンの需要は、1980年代を通じて衰退の一途をたどった。 IBM PC互換機がより高性能になるにつれ、S-100バス製品の市場は1990年代前半まで縮小し続けた。例えば、1992年、シカゴ・マーカンタイル取引所はS-100バス・コンピュータをIBM PS/2に置き換えた。1994年までにS-100バス業界は十分に縮小し、IEEEは1994年6月14日にIEEE-696規格を廃止した。
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