表の作成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/09 08:34 UTC 版)
ジオマンシーにおいて占い師(ジオマンサー)は16個の乱数を生成し、数えることなく16行の点または印を作る必要がある。作った点の個数を数えないことで、占い師は多くの占いに必要とされる一見して無作為な機構を提供する。行を生成したら、占い師は各行から2点ずつ消して行き、各行に1点か2点が残るようにする。数学的には、その行の点の個数が偶数であれば2点が残り、奇数であれば1点が残る。残った点を4行ずつのグループにし、最初の4つのジオマンシーの形とする。これを元にして残る形を生成していく。形の生成が終わったら、ジオマンシーの「霊感」的部分は完了し、残りはアルゴリズム的な計算だけである。 伝統的なジオマンシーでは、砂地の表面と手または棒を必要とするが、蝋タブレットとスタイラス、あるいは紙とペンでも代用できる。占いによっては儀式的な道具を必要とする場合もある。アラビア起源であるため、印や形を描く場合にアラビア文字のように右から左に描いていくことが多いが、絶対そうしなければならないというものではない。現代的ジオマンシーではコンピュータを使って乱数を発生させたり、物を投げて乱数を発生させたりする。ジャガイモの芽の数を数える、専用のサイコロを振る、さやに入っていた豆の個数を数えるといった方法もある。各カードがジオマンシーの形に対応した特別なカードを使う方法もある。この場合、シャッフルしたカードデッキから4枚だけカードを選べばよい。完全なジオマンシーの図を生成する機械もある。 得られた形をシールド表と呼ばれる特別な表に入れる。シールド表 (shield chart) はカントール集合の再帰的性質を思い起こさせる。最初の4つの形を「母 (matres)」と呼び、表内の他の形を生成する元になる。「母」は表の右上端の4マスに順に置かれ、4つのうち右端が一番目の母となる(ここでも伝統的に右から左に置かれる)。次の4つの形を「娘 (filiae)」と呼び、「母」に使われている行を並べ替えることで形成される。1番目の「娘」は4つの「母」それぞれの1行目を順に組み合わせて形成される。2番目の「娘」も同様にそれぞれの「母」の2行目を使って形成される。「娘」は表の中の次の4マス、「母」と同じ行に置かれる。 8つの「母」と「娘」ができたら、4つの「姪 (nepotes)」を作る。このとき、「姪」のマスの上に2つのマスがあるので、それらのマスにある形を行ごとに加算することで「姪」の形が形成される。行ごとの加算とは、点の合計が奇数か偶数かを判定することで、奇数なら対応する「姪」の行には1点、偶数なら2点を記入する。概念的には、2点の行を「偽」、1点の行を「真」と解釈すれば、命題論理の排他的論理和と同じことである。 「姪」が4つできたら、「姪」の場合と同じようにして「証人 (testes)」を2つ形成する。1番目と2番目の「姪」から右側の「証人」、3番目と4番目の「姪」から左側の「証人」を作る。同様に2つの「証人」から「裁判官 (iudex)」を形成する。16番目の形である「調停者 (superiudex)」は「裁判官」と1番目の「母」を同様に加算することで得られるが、これは外来のものと考えられ、最近では「バックアップの形」とされている。
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