蛇口のデザイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 19:54 UTC 版)
「モーエン (企業)」の記事における「蛇口のデザイン」の解説
代表的なモーエン製台所・流し台・浴槽・シャワー用の水栓はレバーが1つのデザインであるが、これは湯や水を個別に操作しないと適温にならないという混合水栓の弱点を克服し、その面倒な手間が省かれるようMOEN創業者のアル・モーエンが発案した画期的な吐水の方法であり、今では世界中で使われているシングルレバー式混合水栓の原型となった。 構造・コスト・メンテナンス等あらゆる面を追究した結果、1960年代以来ほとんど同じ構造の水制カートリッジ「1225」を誕生させた。これは長さ約4インチ・直径3/4インチの樹脂製(高温仕様は当初の品番1200という真鍮製)シリンダーであり、これらモーエン製シングルレバー式の心臓部となるカートリッジは今日までに(旧来の製品と互換性を保ちながら)少なくとも二度の改良が加えられている。このカートリッジの軸を引き上げると水が流れ、左に回すと温水、右に回すと冷水(お温を左側とする国際的な標準仕様の場合)が出る。 たとえ逆配管(工事の際に陥りがちな左右の配管ミスや、やむをえず配管のレイアウトを逆にしなければならない環境など)の場合でもカートリッジ内の軸部(ステム)を180°反転させることで容易に対応(通常と同じように湯が左、水が右)できる事もMOEN製カートリッジが画期的かつシンプルな構造で、現在も支持されている理由のひとつである。 後に、モーエン製のシャワー・浴槽用シングルレバー水栓は、温水・冷水のどちらであっても突然の水圧変動(たとえば、適温でシャワーを浴びている時に誰かがトイレ等で一気に水を流すような)や、やけど防止に対応した平衡機能を備え、たとえば水量に変化が生じたり、安全性と快適さのためにシャワーの水温を維持しながらも、水圧調整のための内部スペースには直径約1インチ程度しか許容されない水栓本体は大きくすることが難しいが、この問題にも対応したカートリッジは「1222」として知られ、特にシェアの高い北米などでは街の小売店でも従来の一般的なゴムパッキンのように1個ずつブリスター型パッケージで販売されており、その操作性・メンテナンス性の良さは上記のカートリッジ1225と比べても遜色ない。 2004年以降は上海にある摩恩(MOENはマオンと発音)でも生産されておりシェアも世界的に拡大している。
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