著作権保護と可搬性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 04:05 UTC 版)
紙の出版物をデジタル情報化すれば、なんらかの複製制御の仕組みを配布方法や再生機器内に備えないと、デジタル情報は容易に複製物が作られるようになり、P2P型共有ソフトなどの違法な情報複製によって本来の著作物の販売が阻害されるなど著作権者の権利が侵害される可能性が高い。これを避けるために、電子書籍では当初からオンラインによる認証機能を設けたり、ダウンロードした端末以外で閲覧できないようにするといったハードウェア・キーを導入したりすることで、広範な複製は行なわれないようになっている。著作権者の権利はこれでほとんど保護されるが、利用者にとっては購入したコンテンツが特定の機器に縛られて可搬性が制限されたり、閲覧キーが損壊してしまえばまったく再生できず最悪では再購入する以外に手段がないなど、利便性が大きく失われることになる。これらが電子書籍の普及を阻害する一要因になっているとの指摘もある。2010年にはApp Storeで紙の出版物をスキャンした電子書籍の海賊版が多数見つかり、問題となった。2010年には、不足する電子書籍を利用者が手元の書籍等をスキャンして自ら電子情報化する「自炊」という作業が顕在化したが、その手法の派生として専門業者が登場し、スキャンデータの不法なコピーが流通する危険性に加えて、自炊作業によって本来は破棄される裁断済みの書籍束が他者のスキャンに幾度も利用されかねないという別の著作権侵害の問題を引き起こすと危惧されている。
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著作権保護と可搬性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 22:25 UTC 版)
「電子書籍リーダー」の記事における「著作権保護と可搬性」の解説
紙の出版物をデジタル情報化すれば、なんらかの複製制御の仕組みを配布方法や再生機器内に備えないと、デジタル情報は容易に複製物が作られるようになり、P2P型共有ソフトなどの違法な情報複製によって本来の著作物の販売が阻害されるなど著作権者の権利が侵害される可能性が高い。これを避けるために、電子書籍では当初からオンラインによる認証機能を設けたり、ダウンロードした端末以外で閲覧できないようにするといったハードウェア・キーを導入したりすることで広範な複製はおこなわれないようになっている。著作権者の権利保護はこれでほとんど問題がないが、利用者にとっては購入したコンテンツは特定の機器に縛られて他へ移動することが制限されるなど、可搬性は低下する。閲覧キーを購入する方式ではその損壊によって再生できなくなる。 しかし2010年代に入りクラウド化が急速に進み、利用者は購入した書籍を電子書籍流通会社の「書庫」に保存できるだけでなく、読み出しのための鍵も、端末が損傷するなどして使えなくなっても電子書籍流通会社のウェブサイトで書籍に購入と同じ程度の簡単な認証(無料)で他の端末に移動できたり、もともと同じアカウントを使用するように設定した一定数までの複数の端末で同時の読書を認めるなど、「回し読み」が可能な紙の書籍と同程度もしくはより優れた利便さへの改善が進んでいる。
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