脱サジェスチョン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 02:50 UTC 版)
「サジェストペディア」の記事における「脱サジェスチョン」の解説
サジェストペディアでは、「自由な精神活動と創造性の高揚」の下地として、社会通念によって学習者の心に構成された否定的な固定観念の呪縛を解く必要があるとし、これを「脱サジェスチョン(desuggestion)」と呼んでいる。「脱サジェスチョン」と「サジェスチョン」はたいていの場合、双方が同時に起こる不即不離の現象であり、互いに一方の実現のために他方を必要とする関係にある。 このような「脱サジェスチョン」を実現するためのサジェスチョンを「脱サジェスティブ・サジェスチョン」と呼び、その実現過程を「脱サジェスティブ・サジェスティブプロセス」と呼ぶ。 広義には、日常一般に存在し人格に影響を与えるサジェスチョンのうち、固定観念を解くように作用するサジェスチョンはすべて「脱サジェスティブ・サジェスチョン」と呼ぶことができる。具体的には、美術や音楽による影響、雰囲気や環境などからの影響、人の生き様などからの影響などである。 「脱サジェスティブ・サジェスチョン(desuggestive suggestion)」は、しばしば「顕示的でないサジェスチョン」という意味で用いられることもある。それは顕示的でないサジェスチョンは、サジェスティブ障壁の高まりを引き起こしにくいという意味で、脱サジェスティブ・サジェスティブプロセスに有効に働くからである。このように用いられた場合、「脱サジェスティブ・サジェスチョン」は、周辺意識に向かって発信されるサジェスチョンを意味し、「顕示的なサジェスチョン」との対立概念となる。「顕示的なサジェスチョン」とは、「命令」「号令」「スローガン」「プロパガンダ」といったものに代表される言語サジェスチョンであり、社会通念の多くは顕示的サジェスチョンによって作られているとされる。 したがって、サジェストペディアでは「戦争プロパガンダに後押しされて機械のように進軍してきた兵士が、戦闘の合間に、子供の無邪気に遊ぶ姿を見てふと心がなごみ、人間性をとりもどす」といったような現象を、典型的な「脱サジェスティブ・サジェスティブプロセス」の例として説明する(Dougal, S. 2001)。 サジェストペディアは、その教授法としてのバージョンアップの過程で、次第に力点をサジェスチョンから脱サジェスチョンに移してきた。 脱サジェスチョンに力点を移して、使用するサジェスチョンをより環境的、日常的、また普遍的なものに限定した結果。1)コースの外観がより「一般的な語学コース」に近くなり、2)学習活動の中で催眠状態を誘発する可能性がきわめて少なくなったという。それゆえ、1990年代以降、この教授法は開発者によって「脱サジェストペディア(Desuggestopedia)」と呼ばれることが多くなっている。
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