総延長距離の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 05:07 UTC 版)
東京大学旅行研究会が最長片道切符旅行を試みた1961年以降、国鉄・JRの路線網には、路線の開業および廃止が相次ぎ、最長片道切符の経路および総延長距離も刻々変化することになった。1960年代 - 1970年代には、新幹線をはじめとする新線開業が相次ぎ、総延長距離が増加した。この時期にも多くの赤字路線が廃止されたが、そのほとんどがいわゆる盲腸線であり、最長片道切符の経路に変更を及ぼすものではなかった。 最長片道切符の総延長距離がピークに達したのは、1982年6月23日の東北新幹線の大宮〜盛岡間の開業から、同・6月30日の仁堀航路廃止までの約1週間で、12782.3kmである。なおこの経路に関しては、その存在期間ゆえに、新線開業時にその区間を組み入れる乗車券の発売は、通達等により通用開始日が開業の一週間前程度からであることと、現実的に可能な乗車・乗り継ぎから考えて、もし乗ろうとしたのであれば実際に可能だったのは南→北の方向のみと推測される、という特殊例ともなっている。仁堀航路の廃止に伴い、本州と四国を結ぶ経路が宇高航路だけになり、四国が最長片道切符の経路から外れたため、総延長距離は大幅に短縮された。 1981年3月の国鉄経営再建促進特別措置法の施行により、その後特定地方交通線に指定された路線が相次いで廃止または第三セクター鉄道に転換された。廃止・転換路線は、地方の盲腸線だけでなく、特に北海道を中心として、名寄本線など環状ルートを構成する幹線系にも及び、最長片道切符の総延長距離はさらに短縮された。近年は新幹線開業に伴う並行在来線の廃止・第三セクター化が新たに影響を及ぼしている。
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