継承制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 05:51 UTC 版)
詳細は「王位継承順位」を参照 先述のように近現代の君主の継承制度は、女系および女子への継承を認めるか否かという観点から、男系男子継承制、男系・女系長子継承制、男子優先長子継承制、絶対的長子継承制に分類される。 男系男子継承制 男系長子継承制は君主の地位が男系男子にのみ継承される制度をいう。男系長子継承制はサリカ法(Salic Law)ともいい、これはゲルマン民族のフランク族中のサリー支族の6世紀の古法で、王位継承に関する規定ではなく土地相続に関する法であった。しかし、15世紀にフランスで王庁に関係する著述家がフランスの王位継承権から女子女系が排除されていることを正当化する根拠として取り上げられ、16世紀にはフランス公法・憲法の基盤となったものである。 男系・女系長子継承制 男系・女系長子継承制は原則として男系男子にのみ継承されるが、君主の一族の始祖の男系子孫の男子がいなくなった場合には女子・女系による継承を認める制度をいう。準サリカ法(Semi-Salic Law)ともいう。 男子優先長子継承制 男子優先長子継承制とは男女に継承権があるが第一子と第二子のように同一の親族関係では男子を優先する制度をいう。 絶対的長子継承制 絶対的長子継承制とは性別にかかわらず長子を優先して継承する制度をいう。 継承の順位は一般に長子相続である。遊牧民族では、嫡男でなく末子(一番年下の息子)に継承させる末子相続をとる場合がある。ただし、これは年上の男子がすでに独立しているために発生する継承形態である。 継承権に関しては配偶関係が一定の意味を持つ場合がある。一夫多妻制がとられている場合、一般に正室の子にのみ継承権があるが、正室に子がいない場合は側室の子に継承させたり、側室を正室に格上げして継承させた。正室・側室の区別をつけず、年長の子から順に継承順をつける場合もある。またオスマン帝国のように、最初に子を産んだ妃が正室とされる逆説的な制度もある。 君主の位の継承権に密接に関係する公法上の概念として、君主、その継承権者およびその配偶者などで構成される王公家・王公室(the royal house)ないし王公族(the royal family)の概念がある。 なお、 タイ王国(チャクリー王朝)や サウジアラビア(サウード家)にも王室は存在するが、明確な継承順位が定められていない。
※この「継承制度」の解説は、「王位継承」の解説の一部です。
「継承制度」を含む「王位継承」の記事については、「王位継承」の概要を参照ください。
- 継承制度のページへのリンク