絶滅の確認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 01:00 UTC 版)
本当に絶滅したかどうかを確認することは難しい。 絶滅と判断された生物がのちに発見される例がある。有名な例ではオーストラリアのフクロオオカミは1930年に野生個体と飼育個体の死が確認された時点で絶滅したと判断されたが、1933年に野生個体が捕獲され、3年後に死亡している。それ以降確実な記録はなく絶滅したと考えられてはいるものの、不確実な目撃報告などは断続的にある。ニホンオオカミも、絶滅していると考えられてはいるが、時折目撃例が発表される。 また、実際に生息が確認される例がある。ロードハウナナフシはその最も顕著な事例である。小笠原諸島の固有亜種であるカドエンザガイ(貝類)は長らく絶滅したと考えられており、環境省のレッドリストでも初版(1991年発行)及び改訂版(2000年発行)でもカテゴリー「絶滅(種)」で掲載されていた。しかしながら、後に生息が確認され、2007年に発行されたレッドリストではカテゴリー「絶滅危惧I類」に修正されている。 一方、最初からその種が存在しなかったのではないか、とされるケースもある。ミヤコショウビンは1887年に宮古島で一羽捕獲され、それを元に新種記載されたが、その後一切の捕獲例がなく、絶滅したものといわれているが、実はミクロネシア産のアカハラショウビンが迷鳥としてたまたま飛来したもの、あるいは標本の保存中の事故で混乱した結果ではないかとの説がある。クマムシ類のオンセンクマムシは温泉から発見されたこと、単独で一綱を立てられている等、特異な種であるが、これもその後個体が確認されていない上、標本の現物も残っておらず、近年類似種が見つかってはいるものの、現状では疑問視されている。また近年、絶滅したと考えられていたタスマンアオツラカツオドリのDNAが、近縁種と考えられていたアオツラカツオドリのDNAと一致し、同一種であると判明した。これは、考古学者が雌の化石と雄の骨を区別せずに比較していたために起こったことである。
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