絶滅の理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 05:48 UTC 版)
なぜ肉歯目が食肉目に取って代わられたのかはよく分かっていないが、彼らの比較的小さい脳と、(特に走行時には)エネルギー効率のやや劣る運動能力(移動能力、ロコモーション)に原因があったのかもしれない。 ほぼ確実に、彼らは蹠行性であった。また、脊椎の腰仙部は食肉目と違って効率的に走れるようには出来ていなかった。歯の配置もまた多少異なっていた。食肉目のミアキスでは、上顎第四小臼歯と下顎第一大臼歯が裂肉歯で、それより奥の歯は肉以外の食物を噛み砕けるように残っていた(現生の食肉目であるイヌ科の歯式もこれに近い)。しかるに肉歯目では、裂肉歯はもっと奥にあった。上顎第一大臼歯と下顎第二大臼歯、もしくは上顎第二大臼歯と下顎第三大臼歯が裂肉歯だったのである。このため、彼らは肉以外の食物をほとんど食べられなかった。これらの些細な短所が百万年単位の長期間では重要だったと思われる。 現生の食肉目で最も純粋な肉食性であるネコ科では、第二・第三大臼歯は完全に失われている。そして、裂肉歯の奥にある上顎第一大臼歯は痕跡器官となっている。そのため、現生のネコ科は植物性の食物をごくまれにしか口にしないのである。 パトリオフェリス Patriofelis ulta の頭蓋骨化石標本(パリの国立自然史博物館) サルカストドン Sarkastodon mongolensis (約3500万年前。オキシアエナ科)の頭骨図 マカエロイデス(マケロイデス)Machaeroides eothen (オキシアエナ科)の頭蓋骨化石標本(パリの国立自然史博物館) ヒアエノドン Hyaenodon cayluxi (約4100万-約2100万年前。ヒアエノドン科)の頭蓋骨化石標本(パリの国立自然史博物館)
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