絶滅した爬虫類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 07:16 UTC 版)
ド・サン=フォンは標本をワニのものと推測した。1798年にペトルス・カンパーの息子エイドリアン・ギレス・カンパーは、父親の記載論文を読むことで間接的に研究を再開した。彼はまず、これが巨大なオオトカゲ科の化石であるという結論を導き、1799年にジョルジュ・キュヴィエに賛同されるに至った。 1808年にキュヴィエはカンパーの結論を確定させた。化石は既に、動物種が絶滅へ向かう可能性についてのキュヴィエの最初の推論の一部に組み込まれていた。絶滅のアイデアは進化論の一つである彼の天変地異説に繋がることとなった。これに先立ち、かつて生息した動物に由来すると解釈された大半の化石爬虫類標本は、ワニ・魚類・鯨類・大型陸生哺乳類といった現存する動物と同様の形態として考えられた。しかしマーストリヒトの標本が現存するどの動物とも異なる大型動物であるとするキュヴィエの考えは、彼自身にも奇妙なものであった。彼は当時発展しつつあった比較解剖学における自身の技量を信じ、この考えを妥当とみなした。彼は既に巨大なバクやナマケモノの標本など、現代では絶滅して化石からしか知られていない大型動物を相手にしていた。 当時標本には学術的な名前は与えられず、マーストリヒト産地の大型動物化石(Grand Animal fossile des Carrières de Maëstricht) と呼称された。1822年にウィリアム・ダニエル・コニベアは、ホロタイプに指定された第二の頭骨 MNHNP AC9648 に基づき、マース川のラテン語表記を用いてモササウルスと命名した。種小名の hoffmanni はギデオン・マンテルが1829年に付け加えたもので、タイプ標本の発見者と推測されるホフマンの名誉を称えたものである。hoffmanni というスペリングは代替となる綴りの hoffmannii よりも使用されているため、国際動物命名規約に基づいて保護されている。 1854年には、ドイツの生物学者ヘルマン・シュレーゲルがモササウルスが普通の四肢ではなくヒレ足を持っていたと推測した。
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