経済学関係について
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経済企画庁勤務(1973~1976年)、神戸大学大学院経済学研究科(1977~1982年在籍)を経て、1982年愛媛大学法文学部に着任。1990年より同教授。2000年に愛媛大学を退職と同時に東京理科大学に移籍し、2014年3月まで同大学理学部第一部教養学科の専任教授を勤めた。 神戸大学大学院では置塩信雄の教えをうける。置塩ゼミはマルクス経済学(経済理論学会)と近代経済学(理論・計量経済学会―後の日本経済学会)の双方を研究していた。 置塩ゼミでの研究をもとに、『基礎経済学―マル経と近経の断絶に悩む人のために』(日本評論社)を出版した。同書で三土は、生産要素の賦存量が機械的・自然法則的に所得分配を決定するというジョン・ベイツ・クラークの限界生産力説を批判した。しかし、限界生産力説を批判するためには新古典派経済学そのものを否定しなければならないとする1970年代に盛んだったモーリス・ドッブ、岸本重陳、高須賀義博などの見解(ケンブリッジ資本論争に基礎を置く考え)には与せず、むしろ複数種類の財、複数種類の生産要素、および資産所有権上格差のある複数家計の存在を仮定した経済に一般均衡理論を厳密に適用することによって、クラークのような議論は反駁できることを示した。そして、マルクス経済学の支持者がいたずらに新古典派経済学一般を忌避している現状は不毛であるとした。 また、搾取説を主張するために労働価値説が不可欠であるともしていない。この点での三土の見解は、アメリカのジョン・ローマーによって主導された合理選択マルクス主義(分析的マルクス主義)に近かった。 ほかには、ミクロ経済学や経済数学の入門書、統計学・多変量解析の入門書を執筆している。
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