米国CDCによる生物兵器の格付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 15:12 UTC 版)
「生物兵器」の記事における「米国CDCによる生物兵器の格付け」の解説
米国CDCでは生物兵器として利用される可能性の高い病原体のリスクについて以下のような格付けを作成している。 カテゴリーA 最優先の病原体で、以下の理由から国の安全保障に影響を及ぼす病原体を指す。 容易に人から人へ伝播される。 高い致死率で公衆衛生に大きなインパクトを与える。 社会にパニックや混乱を起こすおそれがある。 公衆衛生上、特別の準備を必要とする。 ここに分類される病原体には炭疽菌、ペスト菌、ボツリヌス菌、野兎病菌、天然痘ウイルス、各種出血熱ウイルス等が挙げられる カテゴリーB 第二優先度の病原体で以下の特徴を有する。 比較的容易に伝播される。 中程度の発病率と低い死亡率。 CDCの診断能力の強化と疾病サーベイランスの増強を必要とする。 腸管出血性大腸菌O157や赤痢菌など経口感染する病原体もここに含まれる。 カテゴリーC 潜在的に脅威となり得るもの。ニパウイルスやハンタウイルスなど新興感染症の病原体も含まれる。 米国CDCによる生物兵器の格付けカテゴリーウイルス細菌真菌、原虫、寄生虫毒素A天然痘ウイルス 各種出血熱ウイルスエボラウイルス マールブルグウイルス クリミア・コンゴ出血熱ウイルス ラッサウイルス アレナウイルス ※ここに分類されるウイルスはすべて世界保健機関(WHO)のリスクグループ4の病原体に指定されており、実験室・研究施設で取り扱う際のバイオセーフティーレベルは最高度の4が要求される。 炭疽菌 ペスト菌 ボツリヌス菌 野兎病菌 ※ボツリヌス菌以外はWHOのリスクグループ3病原体であり、バイオセーフティレベル3以上の実験室でのみ取り扱うことができる。ボツリヌス菌はリスクグループ2。 ボツリヌストキシン Bベネズエラウマ脳炎ウイルス 東部ウマ脳炎ウイルス 西部ウマ脳炎ウイルス など コクシエラ・バーネッティ 発疹チフスリケッチア ブルセラ菌 鼻疽菌 類鼻疽菌 オウム病クラミジア 黄色ブドウ球菌 経口感染する病原体腸管出血性大腸菌O157 赤痢菌 腸チフス菌 パラチフスA菌 サルモネラ菌 コレラ菌 など クリプトスポリジウム ベロ毒素(志賀毒素) 黄色ブドウ球菌エンテロトキシン リシン Cニパウイルス ハンタウイルス 黄熱ウイルス ダニ媒介性脳炎ウイルス など 結核菌
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