第7巻 - 実体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 00:03 UTC 版)
「形而上学 (アリストテレス)」の記事における「第7巻 - 実体」の解説
第7巻(Ζ) - 実体(全17章)第1章 - 「述語諸形態」としての諸存在の内、第一義的に存在するのは「実体」である。存在についての我々の研究は何よりも「第一実体」についての研究である。 第2章 - 何が「実体」であるのかについての諸説。検討されるべき諸問題。 第3章 - 一般に「実体」と認められているのは「本質」「普遍」「類」「基体」の四つである。 --- まず「基体」について。実体としての「基体」は「形相」か「質料」か両者の「結合体」(具体的個物)かのどれか。「質料」「結合体」が第一義的な実体ではあり得ない理由。それゆえ我々はまず感覚的事物の「形相」(本質)を研究しよう。 第4章 - 事物の「本質」についての言語形式上および事実上の考察。いかなる事物に「本質」は属するか。「本質」が定義され得るのは何ものか。第一には「実体」である。 第5章 - 「重複的に言われるもの」には「定義」も「本質」もあり得ない。 第6章 - 「事物」とその「本質」とは同じであるか。その「事物」が「付帯的存在」ではなく「自体的な実体」であれば両者は同じである。 第7章 - 「自然による生成」「技術による生成」「自己偶発的生成」。これらの「生成」の諸条件。 第8章 - 「形相」は「生成消滅の過程」にあることなしに存在し、「質料」において現実的に存在する。生成するのは「質料」との「結合体」(具体的個物)であり、その生成の「始動因」は「生成する個物」と同種の「他の個物」に内在する「形相」である。 第9章 - 「自己偶発的生成」が起こる理由。「実体」の生成から以外の生成の諸条件。 第10章 - 「事物の部分」とそれの「説明方式の部分」との関係。「部分」と「全体」との関係。 第11章 - どのような部分が「形相」の部分であり、どのような部分が「結合体」の部分か。 第12章 - 定義が二つの要素(「類」と「種差」)を含むのに一つであるのはなぜか。「類」と「種差」の正しい結合の必要。 第13章 - 「実体」と認められているもの --- 「基体」(質料)と「本質」(形相)とその「結合体」(個物)と「普遍」 --- の内「普遍」は「実体」ではない。「普遍」は「実体」の「述語」であり「属性」である。 第14章 - イデア論者は「各々のイデア」を離れて独立に存在する「実体」であるとしながら、その各々を「類なるイデア」と「種差なるイデア」とから成るものとしているが、これは不可能である。 第15章 - 「個別的」なものは、「感覚的」なそれにせよ、「思惟的」なそれにせよ、「定義」も「論証」もされない。 第16章 - 「感覚的な事物」も多くの部分は「可能的な存在」である。「一」や「存在」は「事物の実体」ではない。 第17章 - 「実体」は一種の「原理・原因」であるが、「真の実体」は「質料」を「一定の存在状態」にあらしめるところの「原因」、すなわち「形相」である。
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