第14番
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「合唱のためのコンポジション」の記事における「第14番」の解説
男声合唱と打楽器。ヘルシンキ大学合唱団(Ylioppilaskunnan Laulajat, YL) の日本ツアーのために、1994年に作曲された。初演指揮者はマッティ・ヒヨッキ。初演団体の特性を踏まえた委嘱時のリクエストから、同じ男声合唱の第3番や第6番よりも多声部かつ広い音域を用いて書かれている。YLから出版されていたが、のちに誤植等を修正した浄書版が全音楽譜出版社から出版された。 仏教に題材を求め「外来語がにほん語の音になってゆく歴史」を描いた作品。「Shingon(真言)」「Kanjô(勧請)」「Kassatzu(合殺)」の3楽章から成る。詞の大部分は真言宗豊山派声明のいくつかの経文からとられていて、サンスクリット語、古代中国語、日本語が用いられている。楽譜はYLにより出版されていたが、不注意なミスプリントが多いとの理由で[2018年版]として誤植が訂正された版が全音楽譜出版社から刊行されている。YL版出版譜巻末に付されたPekka Lehtisaloによる解説に「これらの言語〔上の3つの言語のこと〕は、仏教が、生まれた地であるインドから、中国を経由して日本へと広まっていったことを表している」とある。 第1楽章「真言」は、バリトンを中心にして書かれており、グリッサンドや前打音が随所に用いられている。曲の後半では、バリトンソロが即興的に「毘盧舎那仏(hiroshadafu)」と唱える。出典はサンスクリット語の経典「四智梵語」。 第2楽章「勧請」は、ほとんどがフォルテ以上で演奏される激しい曲である。全般的にホモフォニックであるが、バリトンソロが登場すると、各パートが次々に叫び出す。出典は漢語の経典「五悔」。中間のアンダンテ部分は岩手県毛越寺の延年・唐拍子の変形された引用。 第3楽章「合殺」は、瞑想を表したものであり、前楽章とは対照的に、静かで厳かな雰囲気を持つ。テノールによる高音域のグリッサンドが特徴的である。日本語化したサンスクリット語の3つの単語が歌詞を構成している。
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