第一篇「帝国主義下の台湾」について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 00:58 UTC 版)
「帝国主義下の台湾」の記事における「第一篇「帝国主義下の台湾」について」の解説
第一篇は、6つの章、200ページからなる。 第一章は「台湾の領有」と題され、日本の台湾領有の歴史から筆を起こし、ようやく独占段階へ進行しはじめたばかりの日本資本主義が台湾経済を支配下において資本主義化を進行させた過程を論じている。 第二章「台湾の資本主義化」が本篇の中心で、第一篇200ページ中140ページ以上を占め、本章のみ節、一部の節はさらに項に細分されている。第一節「土地問題」と第二節「権度及貨幣制度」において台湾資本主義化の基礎的事業としての土地調査ならびに権度(度量衡)および貨幣の改革・統一について論じられている。土地政策の出発点となった「土地調査事業」と「林野調査」により「封建の遺制」が消滅した一方で、それは「資本進出の準備であり、本源的蓄積の過程であった」と矢内原は見ている。第三節「資本家的企業」において、日本資本が台湾において樹立され、列強資本を排して独占していく過程が論ぜられている。上述の本書移入販売禁止理由の①も本節第二項中の記述である(46ページ)。第四節「財政と資本主義化」において台湾財政と資本との関係が論ぜられている。第五節「階級的関係」において日本人移民と原住民・本島人との関係が論ぜられている。すなわち本島人の資金は日本人資本家の支配に供せられ庶民は無産化していく過程が論ぜられている。第六節「日本帝国主義に於ける台湾の地位」において資本・商品・人口の移動が論ぜられている。 第三章以下は個別問題を取り扱い、第三章では「教育問題」が論ぜられている。上述の本書移入販売禁止処分の②も本章中の記述である(158ページ)。 第四章では「政治問題」が論ぜられ、「保甲制度」もここで論ぜられている。 第五章では「民族運動」が論ぜられ、「台湾同化会」より始まる「日本統治下の台湾における台湾人政治運動」についても言及されている。
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