競馬会の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 23:41 UTC 版)
本年無敗馬同士、世紀の「芦毛対決」とあって、オグリキャップとタマモクロスのどちらが勝利するかは競馬会でも大きな話題となっていた。サンケイスポーツによる直前の競馬関係者コメントでは、武豊、田原成貴、村本善之がタマモ派、岡部幸雄、野平祐二、境勝太郎がオグリ派として紹介されている。また、中村均は互角としたうえで「1800m以下ならオグリ、2000mを超える距離ならクロスとみるのが妥当だろうが、その境となる2000mの勝負。これはやってみなければ答えが出ない」と回答した。1952年に騎手として天皇賞を制した小林稔は、互角かつオグリキャップは外から追い出すスタイルを確立しているとしたうえで、「レースパターンが決まっていないタマモには、まだ引き出されていない面が隠されているような気がする」と予想した。 タマモクロスは息の長い強じんな末脚が評価されるものの、宝塚記念以来ぶっつけでの状態面と追い込み一手の脚質が懸念されており、一方のオグリキャップは毎日王冠を叩いて状態は万全、展開を問わないレースぶりについても高い評価を得ていた。ステップレースを使わないタマモクロスのローテーションを疑問視する声は少なくなく、管理する小原調教師に心労で円形脱毛症ができるほどであった。 武豊 自分で手綱を取ったことがないので軽率なことはいえないけど、総合力はタマモクロスの方が上だと思う。ただ、今回に限っては宝塚記念以来レースに出ていないのが微妙に響くような気がします。どちらに乗ってみたいと問われれば、それはタマモクロスですね。乗り方が難しそうだし、それだけに注文が付くタイプ。乗り甲斐がある馬だからです。 田原成貴 オグリキャップの毎日王冠での強さを見せつけられると、天皇賞も仕方がないという気はするね。確かに破るとすればタマモクロスしかいないだろう。クロスの良さは強じんな末脚にある。力を発揮できる状態であるならば直線の長い東京は、この馬にとってプラス・アルファとなって働くことは間違いない。騎手としてはクロスで、という気はしないでもない。 村本善之 乗りやすいということでは、オグリキャップかもしれませんね。気性が素直そうで、どんなレースも出来そうに思えるからです。それでもタマモクロスの追われてからの息の長い末脚は驚異的。乗れるという仮定なら私はクロスに乗ってみたい気がします。 岡部幸雄 どこからも行けるという点オグリキャップに魅力を感じる。どのようなレースにも対応できるのが本当に強い馬なんだ。 野平祐二 そばでじっくり観察したことがないので軽率な判断は出来ませんが、こと好き嫌いでどちらかを選べといったらオグリキャップですね。馬体がしなやかで、いかにもバネがありそうです。タマモクロスにしてもあまり見ばえしないのにあれだけ強いということは、それ相応にいいところがあるわけで、察するに、内臓、とりわけ心臓が群を抜いていいのでしょう。いずれにせよ、総合点でオグリキャップに素晴らしさを感じますね。 境勝太郎 脚質を見るとタマモは追い込み一手で展開に注文がつくし、夏を函館で調整しながら毎日王冠を使わなかったのが気になる。その点、オグリはどこからでも行ける脚質であり、一度叩いたのも好材料だ。
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