窒素の排泄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 08:42 UTC 版)
最も簡単な窒素化合物はアンモニアであるが、生体に有害なため、安全な尿素として貯めた後に水溶液として排泄される。ただし水溶性であるから水と共に捨てなければならず、濃縮にも一定のエネルギーを要する。水の確保が重要な問題となる生活ではこの点で非水溶性の尿酸にしたほうが有利となる。爬虫類や鳥類の糞に含まれる白い部分は、非水溶性の固体の尿である尿酸である。 窒素の排泄は、硬骨魚類では主にアンモニア、哺乳類、両生類、軟骨魚類では主に尿素、鳥類や爬虫類の多くでは主に尿酸のかたちで行われる。なお、軟骨魚類は、浸透圧調節のため、尿素やトリメチルアミンオキサイドをオスモライトとして体内に蓄積している。 ヒトにおいてもタンパク質などに取り入れた窒素のうち、過剰分やアンモニアが尿素回路を通って尿素の形になり尿中に排泄される(成人は尿素を 1日 30 g ほど排泄する)。一方、プリンヌクレオチドは尿酸まで代謝されたところで、体内ではビタミンCに代わる抗酸化物質として利用され、尿酸を分解する酵素活性が失われているため、アラントインや尿素に分解する経路を持たず、尿酸の一部が活性酸素やストレスなどへの抗酸化作用によって代謝されてゆく。このため過剰なストレスで尿酸の生産が亢進され、尿酸の排泄が追いつかなくなり結晶化して有害性を示すことがある(痛風)。
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