窒素の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 01:20 UTC 版)
「ダニエル・ラザフォード」の記事における「窒素の発見」の解説
スコットランドの物理学者ジョゼフ・ブラックは、二酸化炭素の性質を研究する途上で、二酸化炭素中ではろうそくが燃えないことを発見した。密閉された入れ物の中でろうそくを燃やすと、炎はやがて消え、残った気体は燃焼しない。このこと自体はすでに知られていたが、入れ物の中に残った気体から二酸化炭素を吸収しても、まだ不燃性の気体が残っていた。 ブラックは当時自分のもとで研究をしていたダニエル・ラザフォードにこの問題を与えた。ラザフォードはまず、密閉した箱の中で、ハツカネズミが死ぬまで飼育した。次に箱の中でろうそくを燃え尽きるまで燃焼させ、さらに燐を燃え尽きるまで燃焼させた。その後、残った気体を二酸化炭素を吸収する溶液に通したところ、得られた気体は燃焼せず、またその中でハツカネズミは生きることができなかった。 ラザフォードはこの気体を「有毒な空気」(noxious air)、また「フロギストン化した空気」(phlogisticated air)と名付けた。今日、英語ではこれをナイトロジェン(nitrogen)、窒素と呼んでいる。 ラザフォードは1772年にこの実験結果を発表した。ブラックとラザフォードはフロギストン説を信じていたので、この理論にのっとって結果を説明した。彼らの説によれば、ハツカネズミが呼吸をし、燃焼がおこると、二酸化炭素とともにフロギストンが空気中に放出される。その後、二酸化炭素を取り除くと、空気中には飽和状態のフロギストンが残る。そしてこれがこの気体中で物質が燃焼しない理由となる。ラザフォードはまた、生物は呼吸とともにフロギストンを排出しており、フロギストンが飽和状態では呼吸ができずに死亡すると考えた。
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