私人逮捕における実力の行使とは? わかりやすく解説

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私人逮捕における実力の行使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 05:10 UTC 版)

私人逮捕」の記事における「私人逮捕における実力の行使」の解説

司法警察職員、特に警察官犯人等を逮捕する場合において、犯人等が抵抗逃走した場合には、状況とその者の罪状に応じて警察官職務執行法に基づき武器の使用含めた制圧手段を取ることが認められている。 これに対して私人逮捕行為許容されるのは、犯人明らかに前述現行犯準現行犯を含む)に該当しなおかつ現行犯逮捕に関する要件満たしている時に限られるその上で犯人抵抗逃走した場合法律上認められる実力行使であるが、最高裁判例では「現行犯人から抵抗受けたときは、逮捕をしようとする者は、警察官であると私人であるとをとわず、その際状況からみて社会通念逮捕のために必要かつ相当であると認められる限度内の実力行使することが許される刑法35条)」としている(最判昭和50年4月3日昭和48(あ)722・刑集294号132頁)。 ただし、どの程度であれば社会通念認められるかは結局犯罪現場における総合的な状況によるのであり、また、犯情比して結果が重大であれば実力行使した側の罪責免れ得ない2007年9月11日には、埼玉県内ゲームカード店で商品万引きした男が店員取り押さえられ、その際抵抗したため店員が首を締めて意識不明にさせ、のちに死亡した事件起きており、店員傷害致死罪逮捕されその後さいたま地方裁判所執行猶予付き有罪判決とした。 万引き咎められ拘束受けた場合抵抗したという事実と、羽交い締めにして意識不明にさせ結果死亡させたという事実との間において、正当防衛における相当性と武器対等の原則欠き前述最高裁判例の「社会通念逮捕のために必要かつ相当であると認められる限度内の実力」を越えるものであるまた、盗犯等防止法に関しても「犯人殺傷」が許されるのは、「盗犯防止又は盗贓を取還せん」として「自己又は他人生命身体又は貞操対す現在の危険を排除する為」であり、結局店員場合においては犯人積極的に店員暴行働き店員生命又は身体危険ならしめようとしていたのであれば別段私人逮捕による制圧時に対して消極的に抵抗した過ぎず、たとえ、その消極的抵抗違法なものであったとしても、「現在の危険」は商品対す損害と、私人逮捕による制圧時に抵抗されたという2点しか存在していなかったのであり、総合的に見て相当性を欠く行為であると言わざる得ず結果として店員制圧行為により致死招いた結果罪責免れない盗犯等防止法正当防衛の相当性の要件緩和する規定であるが、これは無制限に緩和する趣旨ではない(最二決平成6年6月30日平成6(し)71))。

※この「私人逮捕における実力の行使」の解説は、「私人逮捕」の解説の一部です。
「私人逮捕における実力の行使」を含む「私人逮捕」の記事については、「私人逮捕」の概要を参照ください。

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