祭司のヘーレム(ハラミーム)
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「ヘーレム」の記事における「祭司のヘーレム(ハラミーム)」の解説
奉納物としてのヘーレムはハザルの時代になると、神に捧げるべき奉納物たる「ヘルメー・ガボハ」(至高のヘーレム)と祭司に捧げられる奉納物たる「ヘルメー・コハニーム」(祭司のヘーレム)という2種類に分類されるようになった。ハラハーにおける祭司のヘーレムとは、トーラーにおいて命じられたとされる祭司への24種類の奉納物のひとつであるハラミーム(ヘーレムの複数形)のことで、その内容は動産、あるいは不動産となる。ハザルは24種類の奉納物について、エルサレム神殿の境内において受け取れる10種類、エルサレムにて受け取れる4種類、エルサレム以外の地でも受け取れる10種類という3段階に分類しており、ハラミームはエルサレム以外の地でも受け取れる奉納物のひとつとされている。一方、ラムバムはハザルとは違い、エルサレム神殿の境内でのみ食べられる8種類、エルサレムの城壁内でのみ食べられる5種類、イスラエルの地でのみ受け取れる5種類、イスラエル以外の地でも受け取れる5種類、エルサレム神殿から提供される1種類というように5段階に分類しており、ヘーレムはイスラエル以外の地でも受け取れる奉納物のひとつとされている。以下、その序列に従って列挙する(各献げ物の名称は『聖書 新共同訳』による訳出に倣う)。 エルサレム神殿の境内でのみ食べられる奉納物 バサル・ハ・ハタート:贖罪の献げ物。家畜、あるいは鳥類。(『レビ記』 6:18-23) バサル・ハ・エシェム:賠償の献げ物。家畜、あるいは鳥類。(『レビ記』 7:1-6) ジブヘー・シャルメー・ツィボール:和解の献げ物。1歳の雄の仔羊が2頭。(『レビ記』 23:19-20) モタル・ハ・オメル:神聖な献げ物のうち燃やさないもの。(『民数記』 18:9) シレー・メナホット・イスラエル:穀物の献げ物の残り。(『レビ記』 2:1-3) シュテー・ハ・レヘム:初物のパンが2つ。(『レビ記』 23:17;20) レヘム・ハ・パニーム:12個のパン。(『レビ記』 24:5-9) ログ・シェメン・シェル・メツォラー:1ログのオリーブ油。(『レビ記』 14:10-13) エルサレムの城壁内でのみ食べられる奉納物 ハゼー・ヴェ・ショック・シェル・シュラミーム:生贄の胸の肉と右後ろ肢。(『レビ記』 7:34) ムラム・ミン・ハ・トダー:感謝の献げ物。薄焼きのパンや輪型のパンなど。(『レビ記』 7:12-14) ムラム・メ・エール・ナジール:ナジル人の誓願の献げ物。奉納物の胸の肉と後ろ肢。(『民数記』 6:19-20) ベホール・ベヘマー・タホラー:神殿に捧げられる家畜の初子のすべて。(『民数記』 18:17-18) ビクリーム:神殿に捧げられる初物のすべて。(『民数記』 18:13) イスラエルの地でのみ受け取れる奉納物 テムラー:穀物、ぶどう酒、オリーブ油の初物。(『申命記』 18:4) テムラット・マアセル:レビ人以外に与えられた嗣業の地の10分の1から神のための10分の1を引いた土地。(『民数記』 18:26-28) ハラー:輪型のパン。(『民数記』 15:19-20) レシート・ハ・ガズ:羊の毛の初物。(『申命記』 18:4) スデー・アフザー:ヨベルの年に買い戻されていない土地。(『レビ記』 27:21) イスラエル以外の地でも受け取れる奉納物 ゼロア・レ・ハイーム・ヴェ・キバー:生贄の肩と両頬と胃の部分。(『申命記』 18:3) ピドゥヨン・ハ・ベン:人も含めた生き物の初子すべて。(『民数記』 18:15) ペテル・ハモール:ロバの初子。(『出エジプト記』 13:13) ゲゼル・ハ・ゲール:受け取り手のない賠償。(『民数記』 5:6-10) ハラミーム:イスラエルにて奉納された物すべて。ただしイスラエル以外の地でも受け取れる。(『民数記』 18:14) エルサレム神殿から提供される奉納物 オロット・ハ・オロット:焼き尽くす献げ物の皮。(『レビ記』 7:8)
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