社会行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:45 UTC 版)
社会行為 (Social action) とは対象が他者である人間の行為を言い、日常的な会話から政治的な圧力まであらゆる行為がこれに含まれる。ただし自給自足の生活、個人的な信仰などは行為の対象が他者でないためにこれに含まれない。 行為の根本的な理由は欲求であるが、人間の欲求は単一の原理ではない。心理学者のアブラハム・マズローの自己実現理論によれば段階的に発展するものであり、生理的欲求、安全の欲求、親和欲求、自尊欲求、自己実現欲求と発展していくものとした。しかし欲求が直接的に社会行為を行わせるのではなく、社会化によって内面化している規範、行為のために利用できる資源などがその行為を行うべきかどうかの判断に影響する。このように社会行為は欲求、規範、資源から総合的に目的が判断されるが、この意思決定も行為の目的に付随する効果から導かれる場合と行為そのものに付随している目的から導かれる場合がある。前者は自己充足的行為、後者は手段的行為として区別され、例えば本を読むとしてもそれが自分の純粋な知的好奇心を満たすためである限りは自己充足的行為であるが、試験対策などのためであれば手段的行為である。 行為の分類についてマックス・ヴェーバーはその性格から四つに類型化する。まず非合理的行為としてまとめられるものにそれまでの習慣に基づいて行われる伝統的行為、そして感情の起伏に基づいた感情的行為が挙げられる。次に合理的行為としてまとめられる価値観に基づいた価値合理的行為と価値観に基づきながらも設定した目的を達成するために計画的に実行する目的合理的行為がある。また社会心理学では社会行動を社会の構成員が相互に他者と合力・助力や分業を行う協力、相互に他者と競争や攻撃を行う対立、社会生活そのものから離脱する逃避と区分する。
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