硬化油とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 硬化油の意味・解説 

こうか‐ゆ〔カウクワ‐〕【硬化油】


硬化油

英訳・(英)同義/類義語:hardened oil

魚油などの液体不飽和脂肪酸二重結合水素付加し融点上昇させて固化した油脂
「生物学用語辞典」の他の用語
化合物名や化合物に関係する事項:  硫酸鉛  硫酸銅  硫黄  硬化油  硬水  神経分泌物質  窒素

硬化油

魚油植物油等の液体油に水素を反応させると、固まって融点の高い脂肪になる。この操作水素添加(水添)といい、この反応一般的に硬化>とも呼んで出来た油を硬化油という。硬化油は硬くなるだけでなく、不快な臭いが除かれ変敗しにくいため、マーガリンショートニング原料として用いられる。  

硬化油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/08 09:11 UTC 版)

硬化油(こうかゆ)とは、比較的融点の低い不飽和脂肪酸を多く含むために常温で液体となっている油脂に、水素付加(水添)を行い、より融点の高い飽和脂肪酸の割合を増加させ、常温で固形化した油脂のこと。同じ温度で液体だったものが、固体または半固体になることから、硬くなった油脂という意味で硬化油と呼ばれる。なお、水素付加によって不飽和脂肪酸の一部を飽和脂肪酸にしただけで、まだ不飽和脂肪酸も残っている硬化油を、部分硬化油と呼んで区別する場合もある。部分硬化油も含めた硬化油は、一般的に植物油魚油に水素付加を行うことで製造される。

水素化の処理によって、健康に悪影響を与えるとされるトランス脂肪酸が生成されることが知られている。詳細は後述。

利用

1897年ポール・サバティエにより水素化の処理方法が発明されて植物油が固体化できるようになり、マーガリンやショートニングとして販売されるようになった[1]

食品としては、マーガリンファットスプレッドショートニング等の原料として利用される他、ステアリン酸を多く含むため、工業的には石けんなどの原料としても利用される。液体油を固形化することにより、液体油に比べ生産量の少ない脂肪の代用として有用である。また、一般的に油脂は酸化により過酸化脂質となるが、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸に比べて、酸化を受けにくいために変敗しにくく、保存性に優れるため、保存性の高い油脂として有用である。その他、動物性油脂に比べ、コレステロールの含有量が少ない。

食品以外の工業用にも界面活性剤の原料などとして用いられるもの(例えば硬化ひまし油)がある。

製造

オレイン酸リノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含む植物油などの油脂に、ニッケルなどの触媒を用いて水素付加を行う方法がある。これによって、不飽和脂肪酸の炭素同士の二重結合の場所に、水素が化学的に結合する。なお、この水素付加の工程は、水素添加 (水添)とも呼ばれる。原料としては植物油の他に、鯨油、魚油などが使われることもある。

マーガリンやファットスプレッドには、一部の不飽和脂肪酸に水素付加を行った部分硬化油が原料として用いられているが、この製造工程において、トランス脂肪酸が生成することが明らかとなっている。トランス脂肪酸は健康に対する影響が示唆されているため、部分硬化油に含まれるトランス脂肪酸の生成量が減るように、水素付加方法の改良に取り組んでいる製造企業もある。

なお、不飽和脂肪酸に対し、完全に水素付加を行った硬化油は不飽和脂肪酸であるトランス脂肪酸を含まない。

出典

関連項目



「硬化油」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「硬化油」の関連用語



3
大豆油 デジタル大辞泉
96% |||||

4
鯨油 デジタル大辞泉
96% |||||

5
鰊油 デジタル大辞泉
96% |||||


7
サバティエ デジタル大辞泉
76% |||||

8
魚油 デジタル大辞泉
76% |||||


10
水素化 デジタル大辞泉
56% |||||

硬化油のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



硬化油のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
イシハライシハラ
Copyright (C) 2025 Ishihara Co.,Ltd. All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの硬化油 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS