破綻危機からの経営再建
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 01:51 UTC 版)
「元湯・陣屋」の記事における「破綻危機からの経営再建」の解説
陣屋は2000年代に入って深刻な経営不振に陥り、10億円の負債を抱え、土地建物を売って負債を清算・廃業する見通しもつかない苦境にあった。バブル崩壊後、売り上げの柱であった企業の団体利用が激減した。鶴巻温泉そのものが衰退して「小田急沿線の普通の街」に変わりつつあり、最盛期は20軒あった宿泊施設が、2018年現在は陣屋、ビジネスホテルなど数軒に激減していることもある。 高級旅館であった陣屋は、現社長・4代目女将夫妻が2009年に経営を引き継いだ時には、僅か20室の客室を「1泊2食つき9,800円から」で提供する「安宿」に成り下がっていた。 背水の陣で陣屋を継いだ現社長・4代目女将夫妻は、思い切った設備投資(スクラップアンドビルド)・旧態依然としていた旅館業務の効率化とITの導入・ブライダル事業への進出などにより経営再建を果たし、マスコミ、特にビジネス関係のメディアで何度も紹介されている。 経営再建にあたっては、従業員全員がiPadで情報を共有し、陣屋を2回以上利用した顧客全てに「常連さん」としてきめ細かいサービスを提供できる、わずか10万円の初期投資で作り上げた顧客管理システム「陣屋コネクト」が大きな力となった。2012年に設立したシステム子会社「陣屋コネクト」を通じ、現社長がキャンピングカーで全国の旅館を回って顧客管理システムを外販している。 一般的な旅館・ホテルが通年無休で営業を行うのに対し、経営効率化の観点から休業日を設けているのも特徴で、2014年2月からは毎週火・水曜日を定休日とし、2016年1月からは月曜日も定休日に加えた(厳密には日曜からの泊り客がいるため、月曜日は半日営業の「週4.5日営業」)。さらに年齢構成を考慮して新卒採用に力を入れており、定休日明けの木曜午前を社員研修に充てている。
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