破綻処理の権限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:11 UTC 版)
「大きすぎて潰せない」の記事における「破綻処理の権限」の解説
1950年以前は、米国の連邦銀行規制当局は、破産した金融機関の破綻処理にあたって基本的に2つの選択肢があった。①資産の清算と預金保険の対象となる預金者への支払いを伴う閉鎖、または②他の企業による資産の取得と負債の引受を促すことによる購入と引受である。 3番目の選択肢が、連邦預金保険法が1950年に制定されたことで選択できるようになった。それは支援の提供、すなわち、金融機関が苦境から立ち直るまで、融資または連邦政府による資産の直接取得を通じて金融機関を支援する権限を与えるものであった。 法律上、「支援」の選択肢は、「適切な銀行サービスを提供するうえで銀行経営の持続性が不可欠である」場合に限定されていた。規制当局は、地域的ないしは全国的に重要な銀行が一般的に清算を行うことがないとみなされた場合に株式市場が歪められるのではないかと恐れて、この第三の選択肢を長年にわたって敬遠していた。したがって、この支援の選択肢は1950年から1969年までは採用されず、その後まず採用されることはなかった。過去の銀行の動向の調査によると、国立銀行時代の取り付け騒ぎに関連する消費損失は、株式市場の暴落による消費損失よりもはるかに大きいものだったことが示唆されている。 連邦預金保険公社改善法(英語版)が1991年に可決され、FDICは、最も低コストな方法で破産した銀行を救済する責務が与えられた。同法における暗黙の目標とは、預金者や債券保有者の損失は大銀行では起こらないという預金者の中で広く信じられていた考えを排除することであった。ただし、同法においては、FDIC理事会、連邦準備制度理事会、および財務長官の3分の2の承認を条件として、システミックリスクの場合は例外だとされた。
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