真のニュータイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 23:10 UTC 版)
福井は、テレビアニメ版『機動戦士ガンダム』第41話で今際の際のララァに投げかけた「人はいつか時間さえ支配できるようになれるさ」というアムロの台詞を根拠として、真のニュータイプとは高次元(宇宙世紀における死後の世界=〝全体〟)に生きながら到達し、時間を支配できるようになった存在であると定義した。福井の考えでは、時間の支配者となった真のニュータイプは神のような力を持ち、地球圏における全兵器の機能を停止したり、時を遡って歴史を書き換えることも可能であろうとされる。 福井は、死によって死後の世界の戸口を潜ってしまったララァは真のニュータイプではなく、ニュータイプの戸口に立つ者たちに囁きかけることはできても、現世に働きかける力を持たない、幽霊のような存在でしかないとしている。また、ガンダムシリーズの登場人物の中には人間でありながら高次元(=〝全体〟)との繋がりを恒常的に維持し続けた者はおらず、真のニュータイプはいまだ現れていないのである、とも述べている。福井によれば、(富野が手掛けたガンダムシリーズの登場人物の中で)最も真のニュータイプに近づけたのは『Ζ』の主人公カミーユ・ビダンをおいて他にいないとし、『Ζガンダム』終盤の言説はニュータイプのなんたるかを検証する上で重要であるとしている。劇中でニュータイプと呼ばれる各主人公のアムロ・レイ、ジュドー・アーシタ、バナージ・リンクスは戸口に立つものでしかなく役目を終えたら高次の世界とのリンクを遮断してニュータイプではなくなっていくが、カミーユだけは戸口から高次の世界に入ってしまい、そこから精神が帰ってこれなくなったとも説明している。これは、TVアニメ『機動戦士Zガンダム』最終話において、カミーユ・ビダンの精神が“向こう側”と繋がり過ぎてしまい戻れなくなってしまったのは、相対したパプテマス・シロッコに厭世観をつけ込まれてしまったために、〝全体〟が存在する高次の世界へと連れ去られてその一部となったと見なす、という解釈である。
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