真のプロペラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 09:11 UTC 版)
[1.1.1]プロペラン(K. Wiberg and F. Walker, 1982) - 非常に歪んだ分子で、中央の2つの炭素は逆四面体形、3つの環それぞれは歪んだシクロプロパン環になっている。中央の結合の長さは、わずか160 pmである。114℃で熱異性化して3-メチレンシクロブテンとなり、酢酸と自発的に反応してメチレンシクロブタンエステルとなる。 [2.1.1]プロペラン(K. Wiberg, F. Walker, W. Pratt, and J. Michl, ????) - この化合物は、30 Kでの赤外分光法で検出できるが、室温で安定な分子としては単離できない。50 K以上では重合すると考えられている。共有炭素間の結合は逆四面体形であり、歪みエネルギーは、106 kcal/molと推定されている。 [2.2.1]プロペラン(F Walker, K. Wiberg, and J. Michl, 1982) - アルカリ金属とともに気相で脱ハロゲン化することにより得られる。50 K以下の低温の気相でのみ安定であり、これより高温ではオリゴ化または重合する。歪みエネルギーは、75 kcal/molと推定されている。 [3.1.1]プロペラン - 単離可能である。 [3.2.1]プロペラン(K. Wiberg and G. Burgmaier, 1969) - 単離可能である。共有炭素は逆四面体形であり、歪みエネルギーは、60 kcal/molと推定されている。熱分解にかなり強く、195℃では約20時間の半減期で、ジフェニルエーテル溶液中で重合する。室温で酸素と自発的に反応し、-O-O-架橋構造を持つコポリマーを形成する。 [4.1.1]プロペラン(D. Hamon, V. Trennery, 1981) - 単離可能である。 [2.2.2]プロペラン(P. Eaton and G. Temme, 1973) - 3つのシクロブタン様環と軸炭素でのかなり歪んだ結合角のため、このプロペランは不安定で、歪みエネルギーは、93 kcal/molと推定されている。 [3.3.3]プロペラン(R. Weber and J. Cook, 1978) - 130℃で融解する安定な固体である。 [4.3.3]プロペラン(R. Weber and J. Cook, 1978) - 100-101℃で融解する安定な固体である。 [6.3.3]プロペラン(R. Weber and J. Cook, 1978) - 275-277℃で沸騰する油状の液体である。 [10.3.3]プロペラン(S. Yang and J. Cook, 1976) - 33-34℃で昇華する安定な固体である。
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