相撲の禁じ手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 07:13 UTC 版)
大相撲の勝負規定では、以下の行為が禁止されている。 握り拳で殴ること 頭髪をつかむこと 目またはみぞおちなどの急所を突くこと 両耳を同時に両手のひらで張ること 前立みつ(前ぶくろ)をつかみ、また横から指を入れて引くこと ノドをつかむこと 胸、腹をけること 一指、二指を折り返すこと これらを実行すると自動的に反則負けとなる。相撲の地方巡業などで、これら具体的な禁じ手・反則が取り入れられた初っ切りが観客に紹介されている。 引き技の流れの中で出てしまうこともある髷掴み以外は、実際に取り締まられることがほとんどない。2020年には指折りを疑う物言いがあったこと自体がニュースとなった。力士達の道徳心や相撲を取り巻く価値観、いわゆる相撲道によって自主的に規制されている。ちなみに相撲教習所では、大相撲の力士には相撲道を含めた基本教育が施される。 東京大学相撲部OBで現部長、法学者の新田一郎は、「禁手の少なさ、制約の緩さは、法化された相撲規則の顕著な特徴である」と指摘し、「規則上は種々の関節技はもとより、顔面への頭突き、膝・肘・掌底による打突やハイキックなども許容される余地がある」と述べており、相撲雑誌では特に「頭を蹴る」ことが禁じ手として制定されていない点に触れる記事もある。 雷電爲右エ門は余りの強さ故に張り手、鉄砲(突っ張り)、閂、鯖折りを禁じ手にされていたという言い伝えが存在する。そのほか、旭道山は自身の張り手の威力が強すぎるため、自ら張り手を封印したこともある。 なお、小学生または中学生のアマチュア相撲大会では危険防止のため、反り手(居反り・撞木反り・掛け反り・襷反り・外襷反り・伝え反り)、河津掛け、鯖折り、閂および極め出し・極め倒しを禁じ技として制定している。また、アマチュア相撲全般では選手本人の肩幅の外側から相手の顔面を張ることを張り手と定義してこれを禁止している。
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