白磁蓮華文輪花鉢
主名称: | 白磁蓮華文輪花鉢 |
指定番号: | 2574 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1997.06.30(平成9.06.30) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 北宋 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 中国河北省曲陽【きよくよう】県澗磁【かんじ】村に所在する定窯【ていよう】の白磁である。白色磁質胎の大形鉢で内外全面にやや黄色みを帯びた透明釉を掛ける。轆轤【ろくろ】成形で器壁を薄く挽き出し底は広く平らで胴はゆったりと膨らむ。胴の外面八方に篦【へら】で縦の筋を入れて瓜形にし口縁にも刻みを入れて輪花とする。底には大きな高台を低く削り出し脇を広く平らに篦削りする。内面中央には深い刻線を廻して内に折枝風の蓮華文を、内外面の胴には蓮華唐草文を線彫りで表す。 定窯白磁は宋代白磁のなかで最も評価が高い焼き物である。本鉢は純白に近い白磁質の素地に黄色みを帯びた透明釉が掛かる典型的な定窯白磁の作品で、内外の蓮華文も伸びやかに彫りつけ保存状態も完好な秀作である。 加賀前田家伝来といわれている。ちなみに近年の考古学的調査により定窯白磁の資料が、福井県・一乗谷朝倉氏遺跡や鎌倉・北条邸跡などで出土している。朝倉氏遺跡出土のものには破損した後カスガイで補修した跡が残され貴重品として扱われたことが知られる。 本作品より器形・文様が形式化した類似の白磁輪花鉢が中国河北省通県の一一七七年金代古墓から出土している。これにより本作品は十二世紀前半、あるいはそれ以前の作品と考えられる。 |
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