病的意義の乏しい突発性活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 08:55 UTC 版)
下記に述べるものは病的意義に乏しい。偽性てんかん発作波ともいわれる。 6&14Hz陽性棘波 陽性群発、陽性棘波ともいう。振幅は75μV以下のことが多く、側頭後部、後頭部優位に両側性、一側性ないし左右交代性に睡眠第1~2段階に出現する。年齢依存性があり4歳ころから出現し、12~14歳ころがピークであり成人になると減少する。Gibbsらは自律神経症状を示す視床あるいは視床下部てんかん患者に関連すると記載したがその後、小児、思春期を中心に健常者20~60%に認められることがわかった。正常から境界の所見と考えられる場合が多い。国際学会では病的意義は確立していないとしている。 小鋭棘波(SSS・BETS) 入眠期、軽睡眠期に単発性の小棘波が出現することがあり小鋭棘波といわれた。てんかんとの関連がはっきりしないため良性てんかん型発射(BETS)ともいう。 6Hz棘徐波複合(ファントム棘徐波) 欠神発作で認められる広汎性3Hz棘徐波複合を小型化したような波形であることからファントム棘徐波とも呼ばれる。内因性精神病、特に統合失調症との関連も提唱されている。しかしこれも健常者でも認められる。左右対称性ときに非対称性に全般性に出現するが、前頭部優位や後頭部優位を示すこともある。睡眠第1期で認められることが多いが、過呼吸や光刺激で賦活される。 律動性中側頭部放電(RMTD) 精神運動発作異型ともいう。うとうと状態の時に側頭部、とくに側頭中部を中心に出現する4~7Hzのθ波の群発である。複雑部分発作(精神運動発作)で認められる方形波に似ているため精神運動発作異型と言われたが、てんかん性異常波ではない。群発の持続は10秒以上で一側性または交代性に出現する。 成人潜在性律動性脳波発射(SREDA) 両側または一側の頭頂、側頭部優位に比較的高振幅の4~7Hzの徐波または鋭波様活動が周波数を変えながら律動的に出現し数十秒から数分間持続するパターンであり、この間臨床症状を伴わない。臨床的意義は乏しいと考えられている。 ウィケット棘波 一側(特に左)ないし両側の側頭中部から側頭前部優位に出現する比較的高振幅の律動性6Hzのアーチ型のμ律動様波形である。 頭頂部鋭波 μ律動 覚醒や傾眠時に一側または両側の中心・頭頂部に出現する9~11Hzの律動波 後頭部陽性鋭一過波(POSTs) ブリーチリズム 骨欠損の場合にμ律動様の波形が目立って出現することがあり、ブリーチリズムといわれる。
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