疎水性効果とは? わかりやすく解説

疎水効果

(疎水性効果 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 04:57 UTC 版)

疎水効果(そすいこうか、hydrophobic effect)は、などの極性溶媒中で非極性分子(あるいは非極性基)が溶媒と分離し凝集する性質のことである。疎水性相互作用は、疎水効果によって非極性分子間に働く引力的相互作用をあらわす。疎水効果は、タンパク質フォールディング[1]タンパク質-タンパク質相互作用脂質二重膜の形成などの駆動力であると考えられている。

簡単に言えば、疎水性分子同士が水にはじかれ、集合する現象である。疎水結合とも呼ばれるが、疎水性分子間に結合が形成されるわけではなく、疎水性分子間に直接引力が働かなくても疎水効果は生じる。

原理

熱・統計力学的には、非極性分子が水中で孤立した状態(溶けた状態)にあるよりも、非極性分子同士が凝集した方が安定であるため、疎水効果が生じるといえる。疎水効果の大きさは、疎水分子が水中で孤立した状態から凝集した状態になるのに伴う自由エネルギー変化で評価される。なお、温度依存性を考える場合、疎水効果の大きさは、


ウィキペディアウィキペディア

疎水性効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 14:02 UTC 版)

フォールディング」の記事における「疎水性効果」の解説

タンパク質のフォールディング自発的な反応であるためには、細胞内熱力学的に有利でなければならないタンパク質のフォールディング自発的な反応であることが知られているため、負のギブス自由エネルギー値をとる必要があるタンパク質のフォールディングにおけるギブス自由エネルギーエンタルピーエントロピー直接関係している。負のデルタG発生しタンパク質のフォールディング熱力学的に有利になるためには、エンタルピーエントロピー、またはその両方が有利でなければならないさらされる疎水性側鎖の数を最小限にすることは、フォールディングプロセスの背後にある重要な推進力である。疎水効果とは、タンパク質疎水性鎖がタンパク質中心部 (親水性環境から離れる) に凝集する現象である。水性環境下では、水分子タンパク質疎水性領域側鎖周囲凝集し秩序だった水分子殻を形成する傾向がある。疎水性領域中心とした水分子秩序は系内の秩序増大させ、エントロピーの負の変化寄与する (系内のエントロピー減少する)。水分子はこれらの水分子ケージ固定されており、疎水性凝集英語版)、または疎水性基の内側へのフォールディング促進する疎水性凝集は、秩序だった水分子解放するケージ破壊を介してシステムエントロピー導入する球状折りたたまれタンパク質コア内で相互作用する多数疎水性基は、膨大蓄積されファンデルワールス力 (特にロンドン分散力) のため、折りたたみ後のタンパク質安定性大きく貢献する。疎水性効果は、大きな疎水性領域を含む両親媒性分子を含む水性媒体存在する場合にのみ、熱力学推進力として存在する水素結合強さ環境依存するため、疎水性コア包まれ水素結合は、水性環境さらされ水素結合よりも天然状態安定性寄与する球状折りたたみを持つタンパク質では、疎水性アミノ酸ランダムに分布したり、一緒にクラスター化されるではなく一次配列沿って散在する傾向がある。しかし、天然変成傾向のある新生(de novo)タンパク質は、一次配列沿って疎水性アミノ酸クラスター化するという逆のパターンを示す。

※この「疎水性効果」の解説は、「フォールディング」の解説の一部です。
「疎水性効果」を含む「フォールディング」の記事については、「フォールディング」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「疎水性効果」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

すべての辞書の索引



Weblioのサービス

「疎水性効果」の関連用語






疎水性効果のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



疎水性効果のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの疎水効果 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフォールディング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS