画面表示機能の強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/26 04:06 UTC 版)
「MZ-1500」の記事における「画面表示機能の強化」の解説
MZ-1500では、MZ-700互換の40×25文字のテキスト画面に加えて、カラーコードと表示色を任意に指定できるパレット機能と、テキストプレーンに対するプライオリティー付きのPCGが追加された。キャラクタ一つあたり8×8ピクセルで構成され、ピクセル単位で8色から任意の色指定が可能なPCGを1024個定義することが可能になっている。 また、PCG部分の描画プライオリティーは、PCG優先、もしくは、背景色とテキスト色の間、PCG非表示が選択可能である。 系列機種のテキスト画面をベースにする表示設計はピクセル単位でのグラフィックス表現の実装にも影響を与え、この機種では他の機種に見られるようなグラフィックスVRAMは存在しない。ピクセル単位での表示を行う場合には、アトリビュートエリアにPCGコードを書き込むことで表示されるパターンを指定し、各色プレーンごとに用意された定義エリアにコードに対応する表示用のビットマップパターンを定義する。言わば、ゲーム機におけるバックグラウンド画面に近い構造を採っており、ビットマップグラフィックス的な表示は、PCGコードを1種類ずつアトリビュートへ敷き詰め、パターンの定義エリアを書き換えることで擬似的に実現する。 他のX1や、MSX、ゲーム機のBG画面などではテキスト画面としての役割の一部も担い兼用するような実装になっていることが多いが、MZ-1500ではテキスト画面とは独立した表示の仕組みとして実装されており、他の実装よりも多くのパターンを使用可能であることも特徴である。但し、PCGのパターン書き換えのタイミングは水平ブランキング期間のみ許可されるため、PCGの定義データを頻繁に書き換えるのではなく予め定義されたPCGを書き換えずに多用する様な実装に向いているのは、BG画面等と同様である。 BASICではPCGを敷き詰めた状態を擬似的にグラフィックスとして扱い一般的なグラフィックス描画コマンドを提供しており、それに加え24個のPCGが取り扱えるように見せている。 これらの実装によりMZ-80K系列の機種では初めてピクセル単位での描画が可能になったことに加え、オプションの漢字ROM、辞書ROMの存在も手伝い、幾つかのワープロソフトも発売された。 なお、同クラスも含む、同世代の多くの他機種が持つテキスト画面の80桁表示は本機でも採用されなかった。
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