用語と記法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 05:41 UTC 版)
1806年にジャン゠ロベール・アルガン(英語版)が導入した用語 module は、フランス語で「測る単位」を意味する言葉で、特に複素数の絶対値を表すためのものであった。それは対応するラテン語の modulus として1866年に英語にも借用翻訳されている。absolute value が本項に言う意味で用いられたのは、少なくとも1806年にフランス語でおよび1857年に英語で見られる。両側を縦棒で括る記法 |x| はカール・ヴァイアシュトラスが1841年に導入した:25。絶対値を表すほかの名称には numerical value(数値)や magnitude(大きさ)などが挙げられる。プログラム言語や計算機ソフトでは x の絶対値を abs(x) のような函数記法で表すことが一般に行われる。 縦棒で括る記法は他の数学的文脈でもいくつも用いられる(例えば、集合を縦棒で括ればその集合の濃度を表し、行列に用いれば行列式を表す)。したがって、縦棒が絶対値を表すためのものか判断するには、その引数が絶対値の概念が定義される代数的対象(例えば、実数や複素数や四元数などのノルム多元体)かどうかに注意が払われなければならない。絶対値とよく似て非なる概念に縦棒記法が使われる例として、Rn のベクトルに対するユークリッドノルム:1および上限ノルム:4などが挙げられるが、これらについては二重縦棒と下付き添字を用いた記法(それぞれ ‖ • ‖2 および ‖ • ‖∞)を用いるのがより一般的で紛れも少ない。
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