産業と生活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 16:51 UTC 版)
全島が火山噴出物で構成されているため、生育に適する農作物は限られている。特産品として、かぶらを大きくしたような世界一大きい大根「桜島大根」と、世界一小さなみかん「桜島小みかん」、そしてビワが有名である。 土産物として、桜島の溶岩を利用した焼肉プレートが販売されている。また、小瓶に詰めた火山灰が売られている。 風によって火山灰が運ばれるため、近隣住民にとって風向きの情報は重要であり、1983年(昭和58年)9月1日から電話による天気予報(177)で桜島上空の風向きに関する情報提供が始まった。その後、鹿児島県内のテレビ・ラジオ放送の天気予報においても、桜島上空の風向きの情報が流されるようになった。 鹿児島市では市街地を中心に、多くの学校のプールには降灰時にも使用できるよう、カーテン状の可動式の屋根が設置されている(好天時は屋根を開けて使用)。ただし、しばらくの間降灰が小康状態だったことと、老朽化したことにより、撤去された学校もある。プールの底に溜まった灰を除去するためのスイーパーもあった。プールの中に沈めると自動で動き、灰を除去した。また、校舎には降灰時でも舎内の換気ができるよう、廊下側の窓にフィルターが取り付けられており、教室内の換気扇には、室外側に、降灰の逆流を防止するカバーがついている。 大隅半島など降灰量の多い地域には、雨樋の無い家屋が散見される。灰が雨樋に詰まり、雨水を吸収して固まると用を成さなくなるため、初めから設置していない。 降灰時は霧の中のようになり、視界が数十メートルになる場合があり、自動車の場合ライトが必須になる。また、火山灰がフロントガラスに付着するが、ワイパーを作動させる速度を考慮しないと、ガラスに傷がつく場合がある。また、特に降雨時の降灰の際は早めに、場合によってはウィンドウォッシャー併用で動かさないと危険な場合がある。墓にも灰よけの屋根がつけられたものがある。 一定以上の降灰が確認されると、役所から家庭に克灰袋(こくはいぶくろ)が配布される。家庭では降灰を克灰袋に入れ、降灰指定置き場に置くと、役所が回収する。掃除などで集められた火山灰を廃棄する場合は、専用の袋に入れて指定場所に置かなければならない(下写真参照)。 詳細は「克灰袋」を参照 霧島市内の墓地(屋根を伴う) 現在の克灰袋 山積みにされた克灰袋
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