生育過程とは? わかりやすく解説

生育過程

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:46 UTC 版)

カイコ」の記事における「生育過程」の解説

完全変態昆虫である。 孵化したての1齢幼虫は、黒色疎らな毛に覆われるため「毛蚕」(けご)と呼ばれまた、アリのようであるため「蟻蚕」(ぎさん)とも呼ばれる桑の葉食べて成長し十数時間程度の「眠」(脱皮準備期間にあたる活動停止期)を経て脱皮する。2齢以降脱皮後も毛はあるが、体が大きくなる割に、毛はあまり育たないのでイモムシ様のとなり、幼虫体色模様品種によって様々であるが、通常白く頭部眼状紋が入る。幼虫の白い体色天敵発見されやすいこともあって(逆に言えば見失っても飼育者である人間の目には留まり易い)、幼虫は自然下では生育できない。また2齢幼虫になる頃に毛が目立たなくなるのを昔の養蚕家は「毛をふるいおとす」と考え、毛ぶるいと表現した多く品種幼虫は、5齢で終齢を迎え(さなぎ)となる。蛹化近づくと、体はクリーム色に近い半透明に変わる。カイコは繭を作るのに適した隙間求めて歩き回るようになり、摂食した餌をすべて糞として排泄してしまう。やがて口から絹糸出し頭部を∞字型に動かしながら繭を作りその中で蛹化する。繭の色や形は品種によって異なるが、白い楕円形一般的である。絹糸唾液腺変化した絹糸腺けんしせん)という器官作られる後部絹糸腺では糸の主体となるフィブロイン合成される中部絹糸腺後部絹糸腺から送られてきたフィブロイン濃縮蓄積するとともにもう一つの絹タンパク質であるセリシン分泌する。これを吐ききらないアミノ酸過剰状態になり死んでしまうので、カイコ歩きながらでも糸を吐いて繭を作る準備をする。またになることを蛹化というが、養蚕家は化(かよう)という。 繭の中でカイコ幼虫丸く縮んでになる。これはアポトーシスプログラムされた細胞死)が体内起こっているのであり、体が幼虫から作り変わっている最中のであるその後脱皮しとなる。最初飴色だが、段々と茶色く硬くなっていく。 羽化すると、尾部から茶色い液(尿)を出す。また、口から絹糸溶かすタンパク質分解酵素出して自らの作った繭を破って出てくる。成虫全身白い毛に覆われており、翅を有するが、体が大きいことや飛翔筋が退化していることなどにより飛翔能力を全く持たない上、口吻はあるが餌を食べることは無い。交尾の後、やや扁平な丸い卵を約300産み、約10日斃死する。

※この「生育過程」の解説は、「カイコ」の解説の一部です。
「生育過程」を含む「カイコ」の記事については、「カイコ」の概要を参照ください。

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