生物における存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 04:33 UTC 版)
胃酸は胃の主要な分泌物の1つである。その主成分は塩酸で、それによって胃の内容物はpH1から2に酸性化されている。塩化物イオン (Cl−) と水素イオン (H+) は、胃粘膜の壁細胞によって胃底部の胃底領域に別々に分泌され、胃管腔に入る前に小管と呼ばれる分泌ネットワークに分泌される。 胃酸は微生物に対する防壁として働くことで感染を防いだり、食物を消化したりするのに重要である。その低いpHによってタンパク質が変性され、それによってペプシンなどの消化酵素による分解を受けやすくなっている。 低pH環境ではまた、酵素前駆体であるペプシノーゲンが自己切断によって活性酵素であるペプシンに活性化される。粥状液の塩酸塩は胃を出た後、十二指腸で炭酸水素塩によって中和される。 胃自体は、厚い粘液層の分泌と、セクレチンによって誘発される炭酸水素ナトリウムによる緩衝作用によって、強酸から保護されている。これらのメカニズムの欠陥によって、胸やけまたは消化性潰瘍を発症する可能性がある。抗ヒスタミン薬とプロトンポンプ阻害薬などの医薬品は胃での酸の生成を阻害する可能性があり、また制酸薬は過剰に存在する酸を中和するために使用される。
※この「生物における存在」の解説は、「塩酸」の解説の一部です。
「生物における存在」を含む「塩酸」の記事については、「塩酸」の概要を参照ください。
- 生物における存在のページへのリンク