現代の鯨類追込網漁業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:36 UTC 版)
「イルカ追い込み漁」の記事における「現代の鯨類追込網漁業」の解説
「日本の捕鯨#現在の捕鯨」も参照 IWC管轄外の小型鯨類の捕獲に関して、現在の日本では農林水産大臣の許可の下で捕鯨砲を使って行われる「小型捕鯨業」と、都道府県知事の許可の下行われる「いるか漁業」があり、「追込網漁業」は、銛を使って行われる「突棒漁業」と共に「いるか漁業」を構成する一つの漁法である。 追い込み漁は静岡県と和歌山県で知事により許可されているが、静岡県では2004年(平成16年)にハンドウイルカ9頭を捕獲して以降捕獲実績がなく、現在追い込み漁が行われているのは和歌山県太地町の太地いさな組合によるもののみとなっている。和歌山県でのイルカの追い込み漁は、日本の水族館での有力なイルカの入手先であり、また捕獲されたイルカは海外16か国にも輸出されてきた。 2013年(平成25年)に、日本国内の追い込み漁で捕獲された頭数は、和歌山県太地町で捕獲された1,239頭であった。追い込み漁の内訳は、スジイルカ498頭、ハナゴンドウ298頭、マダライルカ126頭、ハンドウイルカ190頭、マゴンドウ88頭、カマイルカ39頭であり、そのうち、水族館やドルフィナリウムなどへの生鯨類(生イルカ)の出荷頭数は、スジイルカ1頭、ハナゴンドウ12頭、マダライルカ45頭、ハンドウイルカ84頭、マゴンドウ1頭、カマイルカ29頭である。2014年度の捕獲頭数は937頭であり、そのうち生鯨類の出荷頭数は84頭であった。 過去には少数のシャチが獲られたこともあったが、現在は捕獲禁止で、学術調査用の特別許可が出た時にだけ捕獲されており、最近では1997年(平成9年)に和歌山県太地町で5頭が捕獲されて以降は捕獲実績がない。 2015年には、太地で生体捕獲されたイルカの半数が、中国や韓国やロシアなどに輸出され、各地の水族館での需要を支えている実態が報告された。中でも中国へは2015年までの5年間で200頭以上が輸出された。輸出は専門のブローカーが担当し、捕獲地が直接携わることはない。生体捕獲されるイルカの全てが動物園や水族館向けとされる。
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