現代の貨幣との価値比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 20:39 UTC 版)
ドゥニエは現代の貨幣と比較すると一体どのくらいの価値があったのであろうか。上記で見てきたように、地方と時代ごとにドゥニエの価値は一定ではなく、単純に「1ドゥニエは現代の貨幣で言えば何円である」などという定義は不可能である。とはいえ理解の助けとするために、注意を示しながらも当時の物価を論文や書籍で引用するケースは見られるので、本節でもそれらに倣い「いつ、どこの史料であるか」を明示した上で物価を例示することとする。また、通貨単位もドゥニエに統一する。 東フランク王国(750年 - 1055年)、証書等より 鶏 1羽 - 1/2ドゥニエ ライ麦パン30ポンド - 1ドゥニエ 太った牡牛 1頭 - 60ドゥニエ 馬 1頭 - 156ドゥニエ オータン(1294年-1295年)、教会参事会の会計詳報より 4輪荷車12台の製作および装鉄費 - 1リーヴル15スーすなわち 1x240+15x12=420ドゥニエ。1台あたり420/12で35ドゥニエ 屋根師親方の借家1軒半年分の家賃 - 3リーヴルすなわち3x240=720ドゥニエ。1箇月あたり720/6で120ドゥニエ 馬 1頭 - 3リーヴル10スーすなわち3x240+10x12=840ドゥニエ パリ(1299年)、修道院の教会堂建築現場における会計簿より 単純労働に従事する労働者の日当 - 約 7ドゥニエ 熟練工の日当 - 10-11ドゥニエ 専門工の日当 - 20-22ドゥニエ アブヴィル(1764年)、織工一家(夫婦と8歳および10歳の子供で構成)の一週間の家計より 織工(夫)の日当 - 20ソルすなわち240ドゥニエ 紡糸工(妻)の日当 - 5ソルすなわち60ドゥニエ パン1個8重量リーブル - 8ソル6ドゥニエすなわち102ドゥニエ。パン代は食費の半分を占めていた 有塩バター1重量リーブル - 12ソルすなわち144ドゥニエ 塩1重量リーブル1オンス - 15ソル9ドゥニエすなわち189ドゥニエ 家賃 - 年間30リーブルで週あたり12ソルすなわち144ドゥニエ 照明用の油、半パント - 2ソル6ドゥニエすなわち30ドゥニエ
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