特色・仕事に対する姿勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 17:33 UTC 版)
テレビ草創期からアニメや洋画の吹き替え、ナレーションで活動している。元々の地声は濁りのない声質であるが、銭形役については「二枚目の声で演じていたら現在まで持たなかっただろう」と語っている。 役柄では、『仮面ライダー』のショッカー首領のような悪の組織のボス、威厳ある悪役を演じることが多い。『ウルトラマンA』のような正義のヒーローを演じることもあり、チャールトン・ヘストンの吹き替えなどでも善玉の主人公を演じている。威厳とはやや離れたところでは、若々しいヒーローとして『コンバット』ヘンリー少尉役、喜劇的な小悪党として『リボンの騎士』ナイロン卿がある。 ナレーションが好きだといい、一時期はナレーションの仕事への起用を要望していたが、その頃は上手いナレーターが多くいたため、その中に食い込むことは難しかったという。そのため、個性を出すべく流暢に喋るのではなくリズムを区切るように喋るようにし、後年ではこの喋り方が「納谷節」と称されるようになった。 声の仕事については「声優である以前に俳優である」「声の仕事も役者の仕事の一環」という姿勢とポリシーを持っており、「僕は舞台の役を与えられたのと同じ感覚でやっていましたよ。違うのはお客さんが目の前にいないということだけです」と語っている。「声優」と呼ばれることには抵抗を持つ一方で、「声優」という言葉が一般的でなかった頃に使われた「アテ師」という言葉に対しては、「密室で声だけ出しているという自虐的な意味も含めて『アテ師』と言ってました。決して誇らしく使ってるんじゃないんだけど、でもそんなに嫌いな言葉じゃなかったですよ」と述べている。 「こういう役だから、こう演じる」といったことにはこだわっておらず、本人は「僕はやれと言われたからやるだけであって、その演技が良かったかは後の問題。評価はお客様がしてくれることであって、『良い悪い』はなかった」と語っている。 声優志望の人へは「のめり込むほど好きであること」「スタニスラフスキーでも何でもいいからいいから演劇を勉強すること」が必要だと述べている。また舞台経験の無い多くの若手声優に対しては、「舞台経験があったほうが良いですね。台本を読み込む力がつくし、僕自身は新劇出身だったので、比較的声の仕事は楽にやれたんだと思います」と語っており、舞台を演じる若手声優は積極的に支援している。ただし、「全員の卒業後について責任が持てない」「せっかく教えても辞めてしまったりすると何にもならない」との考えから声優学校の講師をすることは無かった。 声優界の将来に対しては「ただ声を当てればいいと考えている声優が多すぎる。目の前に客がいると思っていない」と憂う発言をしている。
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