物語で描かれた事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/31 05:56 UTC 版)
『ドカベン』で描かれたエピソード 夏の甲子園・神奈川県予選大会三回戦の、主人公の山田太郎が所属する明訓高校と好投手・不知火守を擁する白新高校との試合で描かれた。 試合は0-0のまま延長戦に突入し10回表、明訓高校の攻撃。一死満塁で打者は微笑三太郎。 微笑はスクイズプレイを試みるが、投手前への小フライとなる。白新の投手・不知火がこれを飛びついて捕球し、微笑がアウト(二死)。 スタートを切っていた三塁走者・岩鬼正美はそのまま走り続け、リタッチしないまま本塁に滑り込む。 一塁走者の山田は大きく離塁しており、不知火は迷わず一塁へ送球。一塁手が一塁に触球し、山田がアウト(三死)。ダブルプレイが成立。このとき、岩鬼は本塁上にとどまっていた。 一塁上において第3アウトが宣告されたため、白新高校ナインは全員ベンチに引き上げた。岩鬼も明訓高校ベンチへ戻り、明訓が1点先制。 第2アウトは微笑、第3アウトは山田で、この一連のプレイで本塁上にいる岩鬼はアウトになっていない。岩鬼は第3アウト成立前に本塁に到達しており、一塁走者・山田の第3アウトはフォースアウトではないため、このプレイでの岩鬼の得点は認められる。ただし、岩鬼は三塁へのリタッチを行っていないため、白新高校側は第3アウト成立後であっても審判員に対して岩鬼の離塁が早かったことをアピールし、岩鬼をアピールアウトにして第3アウトの置き換えを行うことで岩鬼の得点を無効にすることができる。 しかし、岩鬼の得点が認められていることに気付かなかった白新高校ナインはアピールを行わず、野手全員がファウルラインを越えた時点でその権利を喪失した。岩鬼の得点はそのまま認められ、明訓高校に1点が入った。 作中では、明訓高校の土井垣将監督がこのプレイを解説する形をとり、その締めくくりとして公認野球規則7.10(当時。現5.09(c))の本文が示されている。 『ラストイニング』で描かれたエピソード 夏の甲子園・埼玉県予選大会決勝戦の、主人公達の彩珠学院高校とライバル校の聖母学苑高校との試合で描かれた。 9回表、彩珠学院高校の攻撃。一死二・三塁で、打者は4番の大宮。 大宮はライナー性の打球を放つも、遊撃手の新発田がジャンプしてこれを捕球し、大宮がアウト(二死)。 二・三塁走者はヒットと判断してスタートを切っており、三塁走者は帰塁せずにそのまま本塁に、二塁走者は三塁まで到達していた。 遊撃手の新発田は、捕球位置から近かった二塁へ送球し、二塁走者がアウト(三死)。 第3アウト成立より前に三塁走者が本塁を踏んでいたことから、三塁走者の得点が認められ、彩珠学院に1点が記録された。 聖母学苑は、ベンチへ戻ろうとする間際に得点されていることに気づき、三塁走者がリタッチしていないことを主張して、第3アウトの置き換えを申し出るものの、彩珠学院側はアピールが遅いと主張した。審判団は、アピール権の有無の判断基準となる投手及び内野手の全員がファウルラインを超えたことの確認を怠っており、判定に窮し、試合は一時中断となった。協議の結果、「ファウルラインを超えていたかは確認できなかったが、聖母学苑の選手は明らかにベンチへ帰ろうとしており、プレイを放棄したと見なす」と判定し、聖母学苑のアピールを受け付けず、彩珠学院の得点が認められた。
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