メンデルスゾーン:無言歌集 第8巻
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
メンデルスゾーン:無言歌集 第8巻 | Lieder ohne Worte Heft 8 Op.102 U 162, 192, 195, 152, 194, 172 | 作曲年: 1842-1845年 出版年: 1868年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
|
---|---|---|---|
1 | ホ短調 「寄る辺なく」 "Homeless | 2分30秒 |
![]() |
2 | ニ長調 「追憶」 "Retrospection" | 2分00秒 |
![]() |
3 | ハ長調 「タランテッラ」 "Tarantelle" | 1分30秒 |
![]() |
4 | ト短調 「そよぐ風」 "The sighing wind" | 2分30秒 |
![]() |
5 | イ長調 「子供のための小品」 "Kinderstuck(The joyous peasant) | 1分30秒 |
![]() |
6 | ハ長調 「信仰」 "Belief - faith" | 2分00秒 |
![]() |
作品解説
ワーグナーが「第一級の風景画家」と言ったように、メンデルスゾーンは情景描写や標題音楽の作曲において才能を発揮している。
この“言葉のない歌曲”、「無言歌」、という形でメンデルスゾーンは心象風景や感情描写までも、表現した。歌曲風の旋律をもった器楽曲であるため、旋律線をはっきりと浮き立たせ、抒情的に演奏することが重要だろう。
メンデルスゾーンが活躍したこの時期、ブルジョアジーの家庭を中心に、ピアノが教養として普及した。そのため、家庭で気楽に弾ける作品が多く作られたが、この《無言歌集》もその一つである。
《無言歌集》は各6曲ずつの計8集からなり、生前に出版されたのは、第6集までである。第7集は、1851年、第8集は1867年に出版された。1832年、第1集を出版したときには、メンデルスゾーンは、《ピアノのためのメロディー》と記しており、《無言歌集》の名称をもつようになったのは1835年に第2集を出版してからのことであった。
標題をもっているものが多いが、作曲者自身によってつけられたものはわずかである。実際、メンデルスゾーンは標題をつけることによって、音楽的な想像力が限定されることを嫌っていたようだ。
第8巻
第7巻と同様に、この曲集もメンデルスゾーン死後に出版されたものである。
この曲集にも、メンデルスゾーンによってつけられた標題はない。
1.ホ短調「寄る辺なく」 / op.102-1 (1842)
2.ニ長調「追憶」 / op.102-2 (1845)
3.ハ長調「タランテッラ」 / op.102-3 (1845)
クリスマス用の小品として作曲されたものと考えられている。
メンデルスゾーンは、イタリアの情熱的舞曲に強い関心を示しており、ここでは、イタリア風の六拍子の快速な舞曲を用いている。和音できざむ伴奏部は非常に軽く。
4.ト短調「そよぐ風」 / op.102-4(不明)
5.イ長調「楽しき農夫」 / op.102-5 (1845)
タランテッラと同日に完成され、同様に、クリスマス用の小品として作曲されたとされる。
「子供のための小品」という名称でも知られ、よく親しまれている。主題のかけあいや、声部の交替がみられる。
6.ハ長調「信仰」 / op.102-6(不明)
- 無言歌集 第8巻のページへのリンク