炭酸脱水酵素の構造と機能とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 炭酸脱水酵素の構造と機能の意味・解説 

炭酸脱水酵素の構造と機能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/05 04:36 UTC 版)

炭酸脱水酵素」の記事における「炭酸脱水酵素の構造と機能」の解説

自然界炭酸脱水酵素幾つかの形態存在する。もっとも研究されているものが「α-炭酸脱水酵素」で動物体内存在する亜鉛イオンは His94, His96そしてHis119である3つのヒスチジン残基のイミダソール環が配位している。 動物においてこの酵素主たる機能は、二酸化炭素炭酸水素イオンとを相互変換することで、血液他の組織酸-塩基平衡維持し組織から二酸化炭素運び出す補助をする。 植物においては「β-炭酸脱水酵素」と呼ばれる形態異な酵素含まれる。その酵素進化的に起源異にするが、同じ反応関与し活性中心には亜鉛イオン存在する植物において炭酸脱水酵素CO2濃度の上昇を補助し葉緑体中でリブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ酵素炭酸固定反応増大させている。この反応により光合成ではCO2ガス有機化合物の糖に固定しているが、CO2炭素のみが利用され炭酸炭酸水素イオンでは利用されない2000年にはカドミウム含有炭酸脱水酵素亜鉛限定される海洋珪藻から発見されている。大洋では亜鉛はその濃度定常的に低い濃度であり、珪藻のような植物プランクトン生育制限になりうる。そうした場合炭酸脱水酵素環境中使用できる他の金属イオン利用する。この発見以前一般にカドミウム生物学的な機能がない非常に毒性のある重金属であると考えられていた。2005年時点では炭酸脱水酵素結合する例だけがカドミウム関与する生化学反応である。 炭酸脱水酵素次の反応触媒する。 CO 2 + H 2 OC a r b o n i c   a n h y d r a s e HCO 3 − + H + {\displaystyle {\ce {{CO2}+H2O->[{\mathit {Carbonic\ anhydrase}}]{HCO3^{-}}+H^{+}}}} (組織中ではCO2濃度は高い) 炭酸脱水酵素反応速度すべての酵素中でも早いもののひとつであり、通常反応速度足かせとなるのは基質(二酸化炭素)の拡散速度である。 逆反応相対的に遅い(速度定数15秒[要出典]程度である)。炭酸飲料が栓をあけたときにカンビンでは速やかにガス抜けずに、口に入れると急にガス抜けるのは、唾液中に炭酸脱水酵素含まれるためである。 H C O 3 − + H +H 2 C O 3C O 2 + H 2 O {\displaystyle {\rm {HCO_{3}^{-}+H^{+}\rightarrow H_{2}CO_{3}\rightarrow CO_{2}+H_{2}O}}} (肺や腎の尿細管ではCO2濃度が低い。植物細胞ではこの反応進行する)

※この「炭酸脱水酵素の構造と機能」の解説は、「炭酸脱水酵素」の解説の一部です。
「炭酸脱水酵素の構造と機能」を含む「炭酸脱水酵素」の記事については、「炭酸脱水酵素」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「炭酸脱水酵素の構造と機能」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「炭酸脱水酵素の構造と機能」の関連用語

炭酸脱水酵素の構造と機能のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



炭酸脱水酵素の構造と機能のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの炭酸脱水酵素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS