災害による廃線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 17:09 UTC 版)
地震・水害・土砂崩落といった災害により路線が寸断されたことが原因で廃止された路線も数多くある。また、被災前から「沿線人口や旅客・貨物の減少」という廃線の基礎条件があり、自然災害での被害をきっかけに廃止された路線も少なくなく、広義では経営の悪化による廃線といえなくも無い。 仙北鉄道・草軽電気鉄道・近鉄八王子線・松本電鉄上高地線・気仙沼線・大船渡線・日高本線のそれぞれ一部区間や、岩泉線・柚木線・東濃鉄道駄知線・鹿児島交通枕崎線・高千穂鉄道高千穂線などが該当する。 現在では災害で大被害を受けた場合に災害復旧事業の一環として鉄道を復旧させる事例も多いが、被災状況によっては予算を捻出できず廃止となることもある。また、災害やその復旧に伴う線形改良で旧線が廃止となる例も存在する。 重要幹線は復旧工事の費用を当該路線の運賃収入や損害保険で充当できることが多いため、突貫工事で復旧工事が進められ阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた山陽新幹線・阪急電鉄・阪神電気鉄道などが数か月で全線復旧した一方、ローカル線では沿線の被害も甚大で沿線の工事用道路から先に復旧しなければならなかったり、復旧費用の捻出が困難なことから国・地元自治体に復旧費用の一部を負担を要請せざるを得ず、結果として年単位での長期間を要したり、只見線・日田彦山線など復旧が遅々として進まない例も見受けられる。また長期間の不通の後に復旧しても利用者の逸走が著しく、結果として廃線となってしまうこともある。 なお、阪神・淡路大震災では山陽電気鉄道の西代駅 - 板宿駅間の地下化工事が完成間近であり、周辺被害も相当であったため従来の地上区間の復旧は行わず地下線で開通させた事例もあり、旧路線はそのまま廃止された。東日本大震災でも同様に架け替え工事完了を控えていた水郡線の那珂川橋梁が復旧時にそのまま新橋梁へ切り替えられた。これらも廃線の例である。
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