火力発電との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 14:02 UTC 版)
1960年代以降は、日本は高度成長期に入り獲得した外貨で安価な化石燃料が確保できるようになったこと、大容量の水力発電所の建設適地が少なくなってきたことから、火力発電の比重が増大していった。1955年には水力発電は全電力の78.7%であったが、1962年には水力46.1%と、火力が逆転した。2005年は水力発電は8.3%まで落ち、火力が59%、原子力31%であった。 日本において、過去の電力利用初期には水力発電が発電の主力であり、「水主火従の時代(すいしゅかじゅうのじだい)」と呼ばれている。その後、火力発電に軸足が移ると「火主水従の時代(かしゅすいじゅうのじだい)」となった。 また、揚水発電所の建設も始まったが、この当時は豊水期に貯水し、渇水期はその水を繰り返し発電に利用することで年間を通じて発電を行うようにするという、年間調整が主たる役割であり、火力・原子力発電による夜間の余剰電力を有効利用する現在の方法とは違った目的だった。 1962年(昭和38年)からの火主水従、1963年(昭和38年)に原子力発電所の運用開始後は、高度経済成長による昼間と夜間との電力需要の格差拡大が問題となっていた。火力・原子力発電等の汽力発電はその出力を頻繁に変動させるということは困難であり、ほぼ一定の出力で運転し続けている。従って日中の高需要時に合わせて運転すると夜間は発電過剰となり、夜間の余剰電力は揚水発電所において揚水運転として消化するという考えが持ち上がった。揚水発電所は、単位出力あたりの建設費が火力・原子力発電所より安いことが注目され、夜間に揚水・貯水し、昼間のピークに備えるという目的へと移っていき、それに特化するように大規模な純揚水発電所が建設されるようになった。但し、その結果水に含まれる不純物が原因のダムの堆積物増加が問題化し始めている[要出典]。
※この「火力発電との比較」の解説は、「水力発電」の解説の一部です。
「火力発電との比較」を含む「水力発電」の記事については、「水力発電」の概要を参照ください。
- 火力発電との比較のページへのリンク