潜水艦「サンタフェ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 17:37 UTC 版)
「パラケット作戦」の記事における「潜水艦「サンタフェ」」の解説
イギリス軍タスクフォースはゴムボート3艇でのSAS隊員の上陸に成功させたが直後の4月23日にイギリス軍作戦司令部より、同海域にアルゼンチン海軍の潜水艦がいるとの情報を受け、島の東側に待機していた「エンデュアランス」を除いた3艦は一度島の北東約320kmへ退避した。 4月24日にはイギリス海軍機動艦隊主力より増援として派遣されたフリゲート艦「ブリリアント」が合流。対潜ヘリコプターであるリンクスを2機搭載していた「ブリリアント」と共にタスクフォースは掃海作戦を開始。補給艦「タイドスプリング」を残した駆逐艦「アントリム」、フリゲート艦「ブリリアント」、「プリマス」の3隻はサウスジョージア島南部に周り込む形で哨戒艦「エンデュアランス」と合流した。 4月25日早朝、まず「アントリム」のウェセックスと「ブリリアント」のリンクスが発進し、捜索を開始。「アントリム」のウェセックスは所定位置でレーダーを作動させて捜索した所、サウスジョージア島から8kmの地点に海上を航行中の船舶を発見した。これはサウスジョージア島の島都グリトビケンへの輸送任務を終え、アルゼンチン本国に帰還しようと海上を航行していたアルゼンチン海軍所属の潜水艦「サンタフェ」であった。ウェセックスは「サンタフェ」に対し、急速接近して搭載していた250ポンド爆雷2発を投下し攻撃すると共に、タスクフォースよりリンクス、ワスプなど対潜ヘリ部隊を呼び寄せた。 このウェセックスの爆雷攻撃によって「サンタフェ」はバラストタンクや電気系統を損傷して潜航不能になり、グリトビケンに向け遁走を始めるが直後にイギリス海軍タスクフォースの対潜ヘリ部隊が飛来し、まずリンクスがMk46短魚雷による攻撃を行った。この魚雷を「サンタフェ」は回避し、セイル(上部構造物)から水兵らが機関銃によって銃撃をヘリ部隊に対して行ったが、リンクスとウェセックスも搭載している機銃で「サンタフェ」を銃撃して遁走を妨害。この隙に「エンデュアランス」所属のワスプが搭載していたAS-12有線誘導ミサイルを発射し、サンタフェのセイルに命中させた。このミサイルはサンタフェのセイルを貫通後に爆発した為、直接の撃沈には至らなかったがセイルで機銃を発砲していたアルゼンチン水兵が片足を失う重傷を負った。 大破した「サンタフェ」はグリトビケンの近郊、キングエドワードポイント埠頭の桟橋付近に座礁・擱座しそのまま放棄され、乗組員は全員陸上に脱出した。
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