潜水艦における魚雷発射管
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/20 05:47 UTC 版)
「魚雷発射管」の記事における「潜水艦における魚雷発射管」の解説
潜水艦において魚雷発射管は最も重要な装置の一つであるが、その構造は複雑である。水中において魚雷を発射する際の問題点は、艦内への水の浸入を防ぐことと魚雷発射後艦の重量バランスが変化することである。 魚雷発射管に魚雷を装填した後に、管内にゆっくりと水を注入し、魚雷の深度調定を行う。管内への水の注入が終了したら、前扉を開く。その後に圧搾空気で魚雷を押し出し、水中へ魚雷を発射する。魚雷の機関はスイッチにより、射出直後に始動する。なお、発射の際に用いた圧搾空気は、艦外に出ると海面へ浮上し艦の位置が露呈するので、艦内で回収するようになっている。また、発射管内で機関を始動する自走発射式魚雷も出現している。再装填にあたっては、前扉を閉め、管内の排水を行う必要がある。このような仕組みにより、艦内への水の浸入を防ぎ、魚雷発射後の艦のバランス(バラスト変化)が崩れるのを抑えている。 魚雷発射管の装備位置は、現代の潜水艦においては前方に向けたものがほとんどであるが、側方や後方に向けて装備されたものもあった。 魚雷発射管は潜航中の潜水艦にとって数少ない外界との交通部であり、魚雷以外にも、ミサイルや機雷の射出、種々のセンサーやデコイの放出、艦内で発生したゴミを圧縮し鉄板で成形して投棄したりする際に用いられることがある。 通常、魚雷を運ぶ距離を短くするため魚雷発射管の後方に保管されるが、装填作業のために広めのスペースが確保されていることから、非戦闘時には乗員用のベッドルームとして利用する設計もある。
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