滴下する水で形成される鍾乳石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/23 08:30 UTC 版)
「鍾乳石」の記事における「滴下する水で形成される鍾乳石」の解説
鍾乳管(Soda-straw、Macaroni) 石灰岩洞窟で水滴が落下した後に方解石結晶の輪を残しながら下方(重力方向)に次々と成長して中空の管となったもの。 鍾乳石の誕生は、炭酸カルシウムで飽和した一滴の雫から始まる。水滴がしたたりおちるとき、まず方解石の微小な晶出/沈殿が水滴の円周に沿ってリング状に天井面にできる。後から垂れてくる水滴は前のリングの先に新たなリングを次々に沈着させ、次第にそれが伸びていく。こうしてリングから細い(0.5~0.6mm)管状のものに成長し、鍾乳管(ソーダストローあるいは単にストロー)と呼ばれる中空状の細長い鍾乳石が生まれる。 つらら石(Stalactite) 洞窟の天井部などから垂れ下がっている鍾乳管が同心状に成長して氷の「つらら」のようになったもの。 鍾乳管の内部の穴が方解石の成長によってふさがれてしまったり、水量が増えてくると、水は外側を流れ始め、より沢山の方解石を沈積させるようになり、一般的なつらら状の鍾乳石の成長へと変わる。鍾乳管は長く成長することがあるが、とても脆い。1m以上の長さをもつものが稀にみられる。鍾乳管がよく発達しているのは、いわゆる密閉型の空間が大半である。 不純物や土壌由来の鉄イオンの多少によって色合いが変化し、白色〜黄土色〜茶色を呈するものが一般的である。金属鉱床を伴う地帯では、方解石ではない鉄や銅などを含む別鉱物種のものができることがあり、赤褐色や黒色、緑色、青色、水色を呈することがあるが、産出は稀である。 石筍(Stalagmite) 洞窟の洞床面からタケノコ(筍)状に上に向かって成長する鍾乳石。 石柱(Column) 洞窟の天井部のつらら石とその洞床面にあった石筍が互いに成長し連結することで柱状になった鍾乳石。石灰華柱、石灰石柱ともいう。 ドラペリー(Drapery) 洞窟の天井部・壁面を水滴が直線~曲線状に流れ薄いカーテン状に成長した鍾乳石。
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