滴虫型の体制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:33 UTC 版)
蠕虫型個体に比べ滴虫型幼生は細胞数が多く、体制はかなり複雑である。滴虫型幼生の体は卵形で、後半に繊毛を具えている。前端の2細胞は頂端細胞(ちょうたんさいぼう)と呼ばれ、各1個ずつ屈光体 (くっこうたい、refringent body)を持つ。この小体は強度に中和されたイノシトール6リン酸のマグネシウム塩(C6H6P6O24Mg6・50H2O)という単一の化合物からなる。体内に腔所を持たない蠕虫型個体に対し、滴虫型幼生は体内に芽胞嚢腔 (がほうのうこう、urn cavity)をもつ。その内部には後側を嚢壁細胞 (のうへきさいぼう、capsule cell)により覆われた芽胞嚢細胞 (がほうのうさいぼう、urn cell)があり、それらはそれぞれ1個ずつ芽胞細胞 (がほうさいぼう、germinal cell)を内蔵している。芽胞嚢腔の壁の一部を作る腹内細胞 (ふくないさいぼう、ventral internal cell)は腔内に向けて細胞表面に繊毛を備え、その細胞質にはPAS染色陽性でアミラーゼによって分解されない多数の顆粒がある。
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