滑走路の表面・舗装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:02 UTC 版)
近代化された空港では滑走路の路面は舗装してある。舗装のために用いられるアスファルトは一般の道路で用いられるものよりも遙かに高強度であり、重量の巨大な航空機の離着陸に十分耐えられるよう改良されたものが用いられている。また、大型機では離陸速度が時速300kmにも達するため、振動を抑えるために極めて平坦な舗装が施される。排水性を高めるために、センターラインから滑走路端にかけて極僅かに傾斜し、山なりになっている。 通常はアスファルトによる舗装となるが、戦闘機のアフターバーナーによる影響が大きい場合には、熱に強いコンクリート舗装とする。郊外や僻地の小さな飛行場、大きな空港でも軽飛行機用の短い滑走路では、土や芝生などの舗装されていない滑走路もある。 ブレーキ性能の向上のため、滑走路の全面にわたって、滑走路の長手方向と直角に細い溝切りを施す。これをグルービングという。グルービングは降雨時にタイヤと路面の間の排水を助ける役割ももつ。グルービングの溝は、幅・深さが6ミリメートル、溝の間隔が32ミリメートルとなるように、ダイヤモンドカッターで削り取り作業が行われる。 数cm程度の物体であっても、航空機の車輪が巻きあげて機体に当たるなどして損傷を受けたり、エンジンに吸い込んで故障や不具合を招いたりする恐れがある。実際に滑走路上の異物が原因の墜落事故も発生しているため、特に大型機のように異物を吸い込みやすいジェットエンジンを利用する航空機が利用する滑走路では、常に異物の監視・清掃がされている。
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