滑走路の命名法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:02 UTC 版)
滑走路は以下の規則に従って命名される。 航空交通管制上、滑走路は滑走路番号(指示標識)と呼ばれる磁北からの方位角(時計回り、度単位)を1/10した数値で識別される。滑走路番号は、飛行機の進入方向から方位を、真北から時計回りに測った角度の下1桁を切り捨てた01から36までの数字で表される。たとえば、磁北 (360°) を向く滑走路は「滑走路36 (Runway Three Six) 」である。その逆向きの滑走路は磁方位で180°であり「滑走路18 (Runway One Eight) 」となる。それぞれの滑走路の番号は滑走路の端に表示されている(上記の例の滑走路では、南端に「36」、北端に「18」と表記されている)。このように、滑走路番号は01〜36の数字のいずれかになる。通常、一本の滑走路には方位に基づく2つの番号が割り当てられており、一本の滑走路の命名は2つの磁方位を組み合わせて表される。上記の「滑走路36」と「滑走路18」の例では、「18/36」と表記される。 滑走路が並行する場合の命名は、滑走路番号のあとにL(左; Left)・C(中央; Center)・R(右; Right)を付すことで行われる(後述を参照)。たとえば、磁方位360°を向いた滑走路が3本平行に並んでいる場合、南から滑走路に進入する飛行機の位置から見て、左側の滑走路から「滑走路36L (Three Six Left) 」、「滑走路36C (Three Six Center) 」、「滑走路36R (Three Six Right) 」となる。並行滑走路が2本しかない場合は、C (中央)を使用せず、L(左)とR(右)のみを使う。したがって、南北方向に2本の滑走路が並行している場合(18/36の場合)、西側の滑走路を「18R/36L」、東側の滑走路を「18L/36R」と呼ぶ。 滑走路が4本並行する場合は、2本の滑走路番号を10度ずらして表記する。例えば、磁方位360°を向いた滑走路が4本平行に並んでいる場合は、それぞれ「01L/19R」「01R/19L」「18L/36R」「18R/36L」と呼ぶ。このほか、数字のあとに「LC」「RC」を付与する事もあり、平行滑走路4本の場合は、左からL、LC、RC、R、となり、5本の場合は左からL、LC、C、RC、R、となる 表面が水の滑走路(水上機が使用する)はシーレーンと呼ばれる。並行する他の滑走路が存在する場合は、シーレーンの滑走路の番号にはW(水; Water)が付けられる。真北を向く水上滑走路はシーレーン36W (Sealane Three Six Water)である。 また、このような正式な表記法のほかに空港独自に滑走路名が存在する。特にこの独自の命名法にルールはないが、「A滑走路・B滑走路……」や「第1滑走路・第2滑走路……」などアルファベットや番号を割り当てることが多い。
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